Jです。
社会人たるもの礼儀は重要なのは言うまでもありません。
礼儀の中でも特に挨拶は重要です。
パイロットの世界では挨拶は特に重要な意味を持ちます。
「挨拶さえできていれば最終的には何とかなる」と言われるほどです。
今回ですけども、そんな挨拶の重要性と、最終的に航空業界で最も挨拶ができない人が誰かを発表したいと思います。
航空大学校に入ると挨拶の重要性を徹底的に叩き込まれる
航空大学校に入ると初日から挨拶の重要性を叩き込まれます。
これやりすぎなんじゃないかと思うくらい挨拶については言われます。
挨拶の基本は「元気よくハキハキと」です。
航空大学校の座学生だった時には挨拶の重要性をそこまで理解はしていませんでした。
しかし、航空大学校での飛行訓練、エアラインでの昇格訓練、日常の乗務を経験して改めてこの業界では挨拶はかなり重要であると思いました。
訓練では技量だけではなく人間性も見られる
意外かもしれませんが、パイロットの訓練は頭が良くても、操縦がうまくてもそれだけではうまくいきません。
人間性も見ているのです。
技量・知識・人間性全ての総合点なので、心技体全てが必要です。
よって、逆に言うと、技量がうまく上達しなくてもすぐにフェイルすることはありません。
※フェイル : これ以上訓練を続けても必要な技量を習得できないと判断されて訓練が中止になること(パイロットになれない)
上の図の通り、パイロットにとって1番大事なのは「体」健康です。
これが無いと飛ぶことができません。
その次に大事なのが「心」です。
仕事に対する姿勢や人間性のことです。
それらがあるという前提で、「技」が大事なのです。
つまり、知識・技量がどれだけ優れていても人間性が悪かったり、取り組む姿勢が悪いとパイロットの試験には合格できません。
逆に、少々下手でも素晴らしい人格の持ち主であればみんなが試験に通そうと助けてくれるのです。
具体的な例を紹介しておきます。
A君は東大出身で頭も良く、英語もペラペラで操縦もうまかったそうですが、フェイルしてしまいました。
理由は何だと思いますか?
それはA君は自分が優秀なので、他の同期を見下した態度を取り続けていたからです。
同期から浮いてしまったA君は他の人とは一切情報交換をせず、自分1人で勉強をしていました。
そのうち大事な情報をA君だけが知らないという状態になってきました。
パイロットの勉強というのは受験のような机の上の勉強だけでなく、口コミ情報、他人の経験談などが大事です。そのことに優秀なA君は気づいていませんでした。
教官の中でも、Aは勉強していない、他の人と同じ失敗を繰り返している、他の人が知っていることを全く覚えてないという悪評が立ち始めます。
そして、孤立しているので誰も間違った方向性を正してくれません。
気づいた時には時すでに遅し、A君はフェイルしてしまいました。
もちろんそれを悲しんでくれる同期はいません。
挨拶ができない人は誰でしょうか?
さて、挨拶の重要性については上記の通りです。
では挨拶ができない人は誰でしょうか?
察しのいい方はすでに分かっているかもしれません。
それはエアラインの機長です。
もちろん全員じゃないです。
しかし、経験上、機長は挨拶できない(しない)人の割合が圧倒的に多いのです。
会社で挨拶しても無視です。
どういう精神構造になっているのでしょうか。
そして年次が高い人ほど挨拶しません。
そういう人に多いのが、自分は偉いと勘違いしている人です。
別に機長は偉くありません。
ただの乗り物の最高責任者です。
安全運航の為に航空法により様々な権限を与えられているだけです。
その権限は大きいですが、それを勘違いしている人が多いです。
挨拶もろくにできない今の状態で昇格訓練に入ったらあなたはフェイルしますよと言ってやりたいです。
日本の悪しき文化?
挨拶して無視も良くないですが、酷い人になると「俺に(私に)挨拶が無いんだけど」と文句を言う人がいます。
あなたはヤ○ザでしょうか。
たまたま挨拶する機会が無いこともありますし、他のことに没頭していて気づかないこともありますよね。
これはどの組織も同じではないでしょうか。
ただ早く生まれただけで威張られたらたまったものではありません。
僕は日本の先輩後輩の文化は好きですが、自分に挨拶しろという人は苦手です。
実るほど 頭を垂れる 稲穂かな
という言葉にもあるように役職が立場が上になっても初心を忘れない人になりたいものです。
これから社会人になる人、パイロットになる人はそういう人たちを反面教師にしてください。
おそらく年長者になると周りも何も言ってくれません。
せめて自分はそうならないようにしましょう。
【挨拶のできない方へ】歳をとっても挨拶はしましょう。せめて返しましょう。