ここだけのパイロットの話

夜のフライトでコックピットから見えるものまとめ

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Jです。

 

空の上は地上の光が無いので夜はとても暗いです。

そんな中でもコックピットから見えるものがいろいろあります。

今回は夜のフライトでコックピットから見える世界を紹介したいと思います。

 

①月

月は日にち、時間帯によってあったりなかったりします。

ひとつ言えることは、月があるのと無いのとでは全然明るさが違うということです。

積乱雲などの雲を判別する際に月が出ていれば容易に視認できますが、月が出てなければ真っ暗で見えません。

夜のフライトの際には必ず月齢を確認します

新月の時には注意が必要です。

 

②星座

地上の光が無いので綺麗に見ることができます。

月が無いときの方がよりきれいに見えます。

北斗七星やオリオン座などの星座は地上よりも簡単に見つけることができます。

地上にいる時には空を見ても星座は分かりにくかったですが、上空で見るとくっきりと見ることができます。

きっと江戸時代などの夜に光が無かった時には、地上でもくっきりと見えていたのだろうと思います。

昔のパイロットは星座から自分の位置を把握して、針路を決定していたそうです。(天文航法)

GPSなどの技術に頼り切った現代っ子の僕は天文航法は神業としか思えません。

 

③流れ星

流れ星はとてもたくさん見ることができます。

なんとか流星群が接近しているときは常に流れ星が流れている感じです。

 

④オーロラ

高緯度を飛んだらオーロラが見える時があります。

オーロラは条件次第で見える日と見えない日があるので見えたらラッキーです。

大体が緑色のカーテンです。

 

⑤人工衛星

周回衛星を見ることができます。

見え方は星と同じで「光る点」ですが、それが流れ星よりもはるかに遅いスピードでスーッと動いていきます。

流れ星は一瞬まばゆく光ってすぐに消えてしまいますが、衛星はずっと等速で明るさも一定で動いていきます。

 

⑥ピカッと光って一瞬で消える光(謎)

これは流れ星の一種なのか何なのか分かりませんが、一瞬だけ輝いてすぐに消える光を見たことがあります。

流れ星であれば、高速で動きながら消えていきますが、この光は一点でピカッと光るだけです。(流れない)

その辺を見ていたら何回か光ったりするのですが、正体は分かっていません。

流れ星が流れる前に消えているのか、人工衛星の光なのか分かりません。

高度的に飛行機の光ではありません。

 

おまけ

豆知識ですが、夏のシーズンは飛行機から花火を見ることができます。

花火の高度はかなり低いので基本的には花火を見下ろす形になります。

花火は花火大会のシーズンしか見ることはできませんが、1年中見れる可能性があるのが東京ディズニーランドの花火です。

ただ、かなり条件が限られています。

まずは、羽田の着陸滑走路がRWY22(南風運用)であることです。

そして、花火の時間帯にちょうど通過することです。

最後に、飛行機の右側の窓際に座ることです。(右からしか見えません)

これらの条件が全て揃ったら見えるかもしれません。


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