Jです。
日本の航空会社で働いているパイロットのうち国際線に乗る人は英語を使います。
パイロットであれば誰でも国際線を運航できるわけではありません。実は国際線に行くためには「英語能力証明」の審査に合格しなければなりません。
この記事は国際線に行くために必須の資格「航空英語能力証明」のライセンスについて書いてます。
国際線に従事するためには国家試験である航空英語能力証明の試験でレベル4以上取らなければいけません。
その内容とどのくらいのレベルなのか説明します。
目次
国際線に従事できるのはICAO航空英語能力証明LEVEL4以上
航空英語能力証明はリスニングとスピーキングの試験であり、結果はLEVEL1からLEVEL6の6段階で評価されます。
初めにリスニング試験(7割で合格)があり、それにパスしなければスピーキングの試験(面接形式)に進むことができません。
実運航においての英語の運用能力を見るための試験であるため、リーディングとライティングはありません。
LEVEL 3以下:要するに不合格(国際線従事不可、国内線は可)
LEVEL 4:国際線乗務可(更新期間3年ごと)
LEVEL 5:国際線乗務可(更新期間6年ごと)
LEVEL 6:国際線乗務可(更新無し、永久ライセンス)
まず初めに、LEVEL 3以下は持っていても意味がないです。というか不合格です。
国際線には従事できません。LEVELは4以上が合格です。
LEVEL4以上取るために必要なこと
試験で見られるのは以下の6つのポイントです。
それぞれのLEVEL4に求められる基準です。
①発音
LEVEL4:発音に若干のクセはあるものの、理解の妨げとなることは、時々しかないレベル。
②文構造
LEVEL4:基本的な文構造は使いこなすことが出来るレベル。
③語彙
LEVEL4:時々意味を確認する必要があるものの、一般的な話題や仕事上の話題に関しては意思疎通を出来るだけの十分な語彙を持っている。予期できない状況において語彙が足りない場合、適切な言いかえができて何とかして伝えることができるレベル。
④流暢さ
LEVEL4:意思疎通をじゃますることはない。余計な言葉はあるが、たいして気にはならないレベル。
⑤理解力
LEVEL4:仕事関連の話題については正確に理解でき、さらに不測の事態や複雑な状態でもほぼ正確に理解できるレベル。
⑥対応力
LEVEL4:通常時は迅速で適切かつ有効な応答をすることが出来るが、不測の事態が発生した場合に反応が遅くなることがあるレベル。
LEVEL4について(Operational LEVEL)
ほとんどの日本人パイロットがこのLEVEL4に当てはまります。
LEVEL4は英語は全くペラペラではありません。
外国に行って何とか支障なく英語で業務に従事できる最低レベルです。
したがって、まったく自慢になりません。
また、そこまで英語ができるわけではないので3年毎に頻繁に審査を受けてライセンスを更新しなければいけません。
LEVEL5について(Extended LEVEL)
LEVEL5はペラペラではないがほぼストレスなく英語で自分の言いたいことを言えて航空業務にも全く支障がない状態です。
LEVEL4は3年更新でしたが、LEVEL5は6年毎の更新となっています。
LEVEL6について(Expert LEVEL)
1度LEVEL6と判定されるとその後更新が一切必要ないのが特徴です。
ほぼネイティブと言っていいでしょう。
level6に当てはまる人はほとんどが帰国子女もしくは父か母どちらかが英語圏のハーフの人です。
誰もがこのレベルには憧れていますが、実際に日本生まれ日本育ちでLEVEL.6を取ったことがある人はいるのでしょうか。
まとめ
国内運航では英語は使えなくても何かあれば日本語で対応できますが、海外では英語が生命線です。
学生の時、もっと英語は勉強していればよかったと思います。
【おまけ:よくあるジョーク】
機長「〇〇くん、君は英語できる?」
副「LEVEL3.5、四捨五入で4ですっ!」
機長「俺も!!www」