Jです。
今回ですけども、航空大学校2次試験の仕組みについて解説したいと思います。
もし航空身体検査を前もって自前で受けて問題なければ、本番の航空大学校2次試験の身体検査は大丈夫かという質問をよく受けます。
実は、前もって航空身体検査を受けて問題なくても本番の2次試験の身体検査では何の意味もありません。
一般的に健康な人でも普通に落ちます。
その理由を説明したいと思います。
2次試験以降の倍率を見てみよう
入学年度 (回生) |
2次試験 (身体検査) |
3次試験 (面接&適性検査) |
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受験者数 | 合格者数 | 受験者数 | 合格者数(定員) | |
H28(63) | 262 | 111 | 108 | 72(72) |
H29(64) | 265 | 110 | 109 | 72(72) |
H30(65) | 295 | 146 | 141 | 108(108) |
R1(66) | 342 | 158 | 154 | 108(108) |
R2(67) | 344 | 163 | 162 | 108(108) |
※H30年度入学者から定員が108名に増えています。
上の表から倍率を計算してみます。
入学年度 (回生) |
2次試験倍率 (身体検査倍率) |
3次試験倍率 (面接&適性検査倍率) |
H28(63) | 2.4 | 1.5 |
H29(64) | 2.4 | 1.5 |
H30(65) | 2.0 | 1.3 |
R1(66) | 2.2 | 1.4 |
R2(67) | 2.1 | 1.5 |
さて、毎年2次試験の倍率はおよそ2倍で、3次試験の倍率はおよそ1.5倍です。
注目すべきは、毎年ほぼ倍率が同じということです。
2次試験を受ける約300人はほぼ全員が健康
さて、ここで2次試験を受ける人のほとんどは健康な人です。
しかし、倍率は2倍なので、実際は2人に1人は落ちてしまいます。
なぜでしょう?
それは「定員」があるからです。
この試験は合格者108名を選抜する試験です。
上の表から分かるように、毎年最終試験の倍率は1.5倍で一定ですよね。
毎年身体検査の合格者が同じような数字になるって不思議じゃありませんか?
明らかに2次試験合格者の人数を学校側がコントロールしています。
3次試験は面接と模擬操縦装置を使った適性試験です。
ある程度人数を少なくしないと試験する側も大変です。
航空大学校の面接は航空大学校の教官がフライトなどの通常業務の傍らで行っているのです。
身体検査を受けた300人を、たとえ全員健康でも300人全員合格させるわけにはいかないのです。
何らかの理由をつけてその300人を半分にしなければなりません。
健康診断の結果なんてケチをつけようと思えばいくらでもケチをつけられます。
例えば航空身体検査ではBMIは30を超えてはいけないとなっています。
BMIが30超えていたら身体検査は不合格になること間違いありませんが、航大の試験においては例えば「28を超えたら不合格にする」という基準を設けてしまえば人数を絞ることができます。
血液検査でも同じように合格の基準とする数値を一般の身体検査よりも狭めることで人数を絞れます。
このように、健康な人の中からより健康な人を選んでいるので、健康な人でも落ちてしまいます。
航空大学校の入学試験の身体検査は一般の航空身体検査よりも厳しいと言われているのはこういう理由です。
学校側は数値の基準は明らかにしていません。
航空身体検査は絶対評価ですが、入試においては相対評価になってしまうことを覚えておいてください。
航空大学校の2次試験の身体検査は対策のしようがない
以上の理由から完全に「運」だと思います。
対策のしようはありません。
日々健康的な生活をして試験日に風邪を引かないようにするしかありません。