福岡空港についてです。
目次
福岡空港の特徴
福岡空港は日本でも有数の混雑空港です。現在二本目の滑走路を作っているところです。
現在は滑走路は1本(RWY16/34)しかないため常に激混みしています。
どれくらいの便数があるかは他の記事でまとめています。
市街地真ん中にあるので騒音問題が懸念されており「優先滑走路方式」の対策が取られている。
優先滑走路方式:騒音対策の一環で、優先的に一方の滑走路を使う方式。
福岡空港の滑走路はRWY16/34だが、当空港の場合は優先滑走路はRWY16となっている。
可能かなぎりRWY16で運用する。
これはRWY34で離着陸をすると博多の市街地の真上を長く飛ばないといけなくなるからである。
一般的に滑走路は飛行機が向かい風で離着陸できるように運用するが、優先滑走路方式が適用されている空港では追い風になったとしても優先滑走路で運用をする。
福岡空港の場合で言うと、RWY16に対して追い風(北風)になったとしてもそのままRWY16で離着陸が行われる。
追い風が10ktを超えてくるとさすがにRWY16運用も限界になってくるため、その場合は使用滑走路がRWY34に変わる。
※1ktの追い風で飛行機の最大離陸重量は2~3トン下がってしまう
1.到着経路とアプローチ
優先滑走路RWY16運用時
福岡空港では優先滑走路方式が取り入れられているため基本的にはRWY16への着陸となる。
RWY16時の各方面からの到着ルートは以下の通りである。
このルートのことをSTAR(スター)という。(STAR:Standard Arrival Route)
東京・大阪からの東方面からの到着便はWaipoint”KIRIN”から入ってくる。[KIRIN ARRIVAL]
KIRIN-IDOLI-ANBIMー(PMS)ーMUGPOーENTIXとなる。
(RWY16時のSTAR:AIP Aerodromes RJFFから引用)
沖縄などの方面からの到着便は南方向のOSTEPから入ってくる。[OSTEP ARRIVAL]
(RWY16時のSTAR:AIP Aerodromes RJFFから引用)
OSTEP-HONOK-AMAOH-KEYAHーAKSIL-PIKOPーENTIXとなる。
どの方向からのArrivalも最終的にはENTIXに向かわされてそこからアプローチを開始する。
好天時:RNP RWY16 Approach
(RNAV RWY16 Approach:AIP Aerodromes RJFFから引用)
福岡空港では天気が良いときと悪いときでアプローチの方式が違う。
天気が良いときにはRNAV RWY 16 Approachが実施されている。
ENTIXを通過した後まっすぐ滑走路に向かい、着陸する。
悪天時:ILS RWY16 Approach
(ILS RWY16 Approach:AIP Aerodromes RJFFから引用)
天気が悪いときにはILS RWY16 Approachが行われる。
しかしRNAV RWY16 Approachでほとんど対応できるため、よほど天気が悪くないと行われない。
よって、このアプローチに遭遇することはまずない。
RWY34運用時
優先滑走路方式があるため基本的にRWY16だが、追い風が10ktを超えてくるような時にはRWY34に変更される。
福岡空港はすぐ北に海があるため海陸風の影響で昼間は北風が吹きやすい。
そのため昼間RWY34になることは結構ある。(特に夏場)
RWY34でのアプローチは主に3種類ある。
①Visual Approach RWY34
②RNAV RWY34 Approach
③ILS RWY34 Approach
天気が良いときにはVisual Approachが行われて、Visual ApproachができないときにはRNAV Approachが行われる。
さらに天気が悪いときにのみILS RWY34 Approachが実施される。
Visual Approach RWY34
MALTSくらいまではRadar Vectorで誘導されてきて、パイロットが空港を視認できたらVisual Approachの管制許可が発出される。
空港の西側を飛んでRWY34に着陸する。
市街地の上空を低空で飛行しなければならない。
RNP RWY34 Approach
(RNAV RWY34 Approach:AIP Aerodromes RJFFから引用)
Visual Approachができない天候のときにはRNAV RWY34 Approachが行われる。
Visual Approachのときと比べてかなり空港の南まで飛行しないといけない。BANKUもしくはDAZAIからアプローチが開始される。
そのため、時間がかかる。
ILS RWY34 Approach
(ILS RWY34 Approach:AIP Aerodromes RJFFから引用)
さらに天気が悪いとILS RWY34 Approachが行われる。
このアプローチも空港の南まで行かないといけないので時間がかかる。
HAWKS(ホークス)からApproachを開始する。
2.出発と離陸経路
離陸に関しても優先滑走路方式は適用される。
(Aerodromes:AIP Aerodromes RJFFから引用)
上記図の左上の黒い建物が国内線ターミナルであり、見て分かる通りRWY16にとても近い。
そのため離陸する飛行機がRWY16付近で混みあっているときにはPush backすらさせてもらえないことが多い。
優先的にRWY16で離陸できれば博多の人口密集地は飛ばなくてすむ。
東京行きの場合は1度佐賀の方まで南下してから目的地に向けて針路を変える。
RWY34から離陸した時でも右に180度ターンして佐賀の方まで南下して針路を変える。