松山空港についてです。個人的に難しい空港の一つです。
目次
松山空港の特徴
RWY14にはアプローチライトが付いてないのでILS 14のLanding minimaがRVR 1000mです。
空港の約22NM東側に西日本最高峰6503ftの石鎚山(天狗岳)があるので南東の最低扇形別高度は7500ftになっています。
Noise abatement procedure
①優先滑走路方式
市街地の上空をできるだけ飛ばないために安全に支障がない範囲でRWY14へ着陸し、RWY32で離陸するのが基本になっています。
Tail 5kt、Cross wind 15ktあれば安全上の理由でRWY32での着陸をリクエストできるとされています。
②Reduced Flap Setting(RWY 32)
深いFlapはエンジンのスラストが大きくなるのでできるだけ浅いLanding Flapで着陸することになっています。
これもBase追い風が吹いていてオーバーシュート確実であれば深いFlapを使用することができます。
ではどれくらいの風が吹いたら深いFlapを使っても言い訳できるか考えてみます。
Target Approach Speedが10kt違うとBank25°での旋回半径が0.1NM違います。
180°ターンするときには0.2NM違うということになります。
例えば150ktの時の旋回半径は0.7NMで160ktの時は0.8NMなので、90°旋回時の直径は150ktで1.4NMで160ktだと1.6NMとなります。
なので、Baseの追い風成分を考えて、もし浅いFLAPを使った場合にBaseでGSが150ktを超えるようであれば確実に言い訳できますね。
③Delayed Flap Approach(RWY 32)
出来るだけFlapを下ろすのを遅らせる方式です。
④Steepest climb(RWY 14)
市街地上空をできるだけ高い高度で飛ぶためです。全然難しくありません。
アプローチの種類
松山空港はアプローチの種類が多いので悩むところです。
RWY14
①ILS RWY14
②RNP AR RWY14
③Visual Approach RWY14
RWY32
①ILS Circling to RWY32
②Visual Approach RWY32
③RNP AR RWY32
ILS RWY14の特徴
Approach LightがRWY14についていないのが特徴的。DHは200ftでMinimaはRVR1000mとなっている。
ちなみにDH200ftでのパイロットの目線と滑走路末端までの直線距離は1165m(3821ft)なので実際はRVR1200m以上でないとRWYを見つけるのは厳しい。
Visual Approach RWY14の計画
米軍管轄の岩国ApproachによってRadar Vectorされて空港を視認出来たらVisual Approachが許可される。
(AIPから抜粋引用)
東京方面からであるとITUKIというWaypointを通ります。
ITUKI付近からRadar Vectorが始まりますが、いかに早くAirport Insightを通報できるかがコツです。
ITUKIは
MYE 028°/15.5DME
HGE 203°/22.5DME
RWY14 Thresholdからは15.2NM
のポイントです。
単純に3°Pathで計算するとITUKIの高度は4834ftが適正となります。
実際は直線で行かないので5000ftであれば十分高度処理は可能で、スピードは少なくとも200kt以下にしておく必要があります。
後はMYE VORとの距離を見て3掛けの高度を意識していけば良いと思います。
Visual Approach RWY32の計画
Visual Approach RWY14と同じようにITUKI付近からのRadar Vectorが行われます。
ITUKIを7000ftで通過すれば高度処理できます。
前述のとおり、Landing Flapはできるだけ浅いFlapを使用する必要があります。