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【口述対策備忘録】平行滑走路についてまとめ

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平行滑走路についての管制間隔についてまとめました。

滑走路が複数ある空港では滑走路を同時に使用するわけですが、特に平行滑走路ではその使い方にルールがあります。

そのルールについてまとめました。

平行滑走路がある空港(国内)

まずは平行滑走路がある空港と平行滑走路間の距離を見てみます。

滑走路と滑走路の距離が結構重要です。

新千歳空港

RWY01L/19RとRWY01R/19Lの距離:300m(984ft)
RWY36R/18LとRWY01R/19Lの距離:1,800m(5,906ft)

※通常はRWY01R/19Lが着陸滑走路

羽田空港

RWY16R/34LとRWY16L/34Rの距離:1,700m(5,577ft)

成田空港

滑走路と滑走路の距離:2,500m(8,202ft)

伊丹空港

滑走路と滑走路の距離:308m(1,010ft)

関西国際空港

滑走路と滑走路の距離:2,300m(7,546ft)

※通常はRWY06R/24Lが着陸滑走路

福岡空港

滑走路と滑走路の距離:210m(689ft)

那覇空港

滑走路と滑走路の距離:1,310m(4,298ft)

※通常はRWY18R/36Lが着陸滑走路

同時平行ILS進入、同時平行ILS/PAR進入

2本の平行滑走路の着陸機それぞれに一定の間隔を適用せずに進入できる方式です。

Final CourseとFinal Courseの間にNTZという立ち入ってはならないZoneが設定され、そこに航空機が入らない限りお互いの間隔が確保されているものとします。

実施するためには「滑走路と滑走路が1,310m(4,300ft)以上離れていること」「それぞれの滑走路の進入復行経路が30°以上分岐している」等をはじめとして様々な条件があります。

滑走路間の距離が1,310m(4300ft)以上を満たす空港は新千歳空港(RWY18L/36RとRWY01R/19L)、羽田空港(RWY16R/34LとRWT16L/34R)、成田空港、関西国際空港、那覇空港の5空港です。

同時平行ILS進入は羽田空港、成田空港で実施されています。

新千歳空港では同時平行ILS/PAR進入が行われます。

平行ILS進入、平行ILS/PAR進入

同時平行ILS進入を運用している空港(羽田、成田)では、航空機同士の間隔はありませんでした。

一方で平行ILS進入では飛行機間に一定の間隔が適用されます。

滑走路と滑走路の距離によって適用される間隔は変わってきます。

滑走路と滑走路の距離が760m以上の滑走路では2NMの間隔が適用され、760m未満の場合は3NMの間隔が適用されます。

伊丹空港はRWY14L/32RにはILSは設置されていないので平行ILS進入ではありませんが、レーダー間隔の3NMが適用されます。

同時平行出発方式

成田空港だけに設定されている方式で、特定の条件を満たす時に出発でも間隔を適用せず平行滑走路を使って出発ができます。

まとめ

空港 滑走路間の距離 運用方式
新千歳 01L/19Rと01R/19L
300m
36R/18Lと01R/19L
1,800m
01L/19Rと01R/19L
×
36R/18Lと01R/19L
同時平行ILS/PAR
羽田 16R/34Lと16L/34R
1,700m
同時平行ILS
成田 2,500m 同時平行ILS
同時平行出発
伊丹 308m 平行進入
3NM間隔
関空 2,300m ×
福岡 210m ×
那覇 1,310m ×

※関空、福岡、那覇では原則として片方の滑走路をを離陸用、もう片方の滑走路を着陸用として運用しているので平行進入は運用していない


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