熊本空港の備忘録です。
空港の東側には阿蘇山があり、空港は高台(632ft)にあってVFRの機体が多くApproach Typeも多彩な難しい空港の一つです。
特徴についての備忘録です。
目次
滑走路のSlopeが大きい
滑走路の傾斜が国内でも大きい空港です。
(AIP Aerodromes RJFTから引用)
図の通りRWY07が急な上り傾斜になっています。
飛行機が接地する滑走路末端から約400m地点は0.8%の登り傾斜になっています。
最大傾斜0.91%で、定期便が就航している滑走路2000m以上の滑走路では国内で一番傾斜が急な空港です。
例えば飛行機が140ktの速度で滑走路に着陸する際、0.8%の勾配はどれくらいの降下率に相当するでしょうか。
140kt(140NM/h)=140÷60(NM/min)
=140×6076÷60(ft/min)
≒14177ft/min
14177×0.008≒113.416ft/min
Slope 0.8%は約110ft/minに相当します。
CATⅡ・Ⅲができる
熊本は低視程になりやすい空港です。
ILS CATⅡ・CATⅢができます。
気象条件として「CIG 600ft以下またはRVR1600m以下」の場合にLVP体制が取られることになっています。
VFRなどの飛行機が多い
定期便だけでなく、私大の訓練機、航空大学校の訓練機、自家用操縦士の飛行機、ヘリコプターなどとても多くの飛行機が飛んでいます。
そのためVisualで飛ぶ飛行機はそれぞれの種類に応じて飛行高度のルールが定められています。
・JET機→2400ft(対地1800ft)
・プロペラの単発機→1400ft(対地800ft)
・プロペラの多発機→1700ft(対地1100ft)
※ただしDC8Dは例外的に2400ft
・回転翼航空機(ヘリ)→1100ft(対地500ft)
通常のVisual Approachでは対地1500ftの場合がほとんどなので300ft高い分注意が必要です。
空港の東側は阿蘇山
東京、大阪からの飛行機は東から飛んできます。
阿蘇山があるので空港近くに来るまで高度処理ができません。
熊本空港のMVA
空港の東側は阿蘇山があるため、東象限のMVAは空港から9~20NMまでは6500ft、空港から3NM~9NMは6000ftになっています。
(AIP Aerodromes RJFTから引用)
阿蘇山の標高TOP5
阿蘇山の標高TOP5は以下の通りです。
1.高岳:1,592m/5,223ft
2.中岳:1,506m/4,941ft
3.根子岳(ねこだけ):1,433m/4,701ft
4.烏帽子岳(えぼしだけ):1,337m/4,386ft
5.杵島岳(きしまだけ):1,326m/4,350ft
火山なのでもしも噴火した際は風向きを考えて火山灰を避けることが必要になってきます。
最低扇形別高度(MSA)
山々に囲まれているので最低扇形別高度も高くなっています。
北東約25NMには九州本土最高峰のくじゅう連山があり、海を挟んで西には雲仙があります。
(AIP Aerodromes RJFTから引用)
根拠となる地形は以下の通りです。
北東6900ft…くじゅう連山・中岳(5876ft)
南東6800ft…祖母山(5762ft)
南西6500ft…上福根山??(5400ft)
北西5900ft…雲仙(4865ft)
まとめ
・滑走路の0.8%の傾斜に注意
・Downwindの高度に指定がある
・東側は阿蘇山の山岳地帯


