パイロットの採用についての記事です。
「不景気になったらパイロットの採用は無くなりますか?」とよく学生が心配しているので記事にまとめました。
はっきり言って不景気になると航空会社は採用人数(パイロット以外も)を絞ります。
就職しにくくなることは間違いありません。
また会社経営が傾くような深刻な状況の場合には絞るどころか募集自体が無くなります。
しかし、焦る必要はありません。
目次
今は世界的なパイロット不足で売り手市場
パイロット採用の情勢を見てみると、エアラインパイロットの数は日本で約5000~6000人と言われています。
そして現状でパイロットは足りていません。そしてこれからも航空の需要はどんどん高まっていき世界的にパイロット不足は加速していくと推測されています。
航空大学校の定員数の引き上げもこれを見越してのことです。
このような背景があるためパイロットという職業は売り手市場が続くと思います。
新型コロナウイルスが蔓延したころにはフライトが無くなり、採用も無くなりました。
また、当時日本国内で働いていた外国人パイロットの多くは日本を去りました。
現在はコロナの影響が無くなり再び採用が始まり、外国人パイロットの呼び戻しなどをしている企業もあるようですが去った外国人パイロットはほとんど戻ってきていないそうです。
ここ数年で急激な円安が進み、母国で再就職したパイロットは日本に戻ってくるメリットがないからです。
不景気だとなぜ採用が減るのか?
不景気で採用が減るのは一般的に全ての企業に言えることですが、航空会社は特に景気の影響を受けやすいです。
不景気でパイロットの採用が減る理由について説明します。
パイロットは採用されたからといって即フライトできるわけではなく、採用した会社がお金を使ってパイロットの訓練をしなければなりません。
その訓練には莫大なお金がかかります。不景気になるとこの訓練費用は経費削減で真っ先に削られるため、採用・養成は見送られることになるのです。
素人を訓練してパイロットにするには1人数千万円のお金がかかります。
飛ばないパイロット(訓練生)にも基本給は発生するので、会社は不景気の時に訓練生をわざわざ採用するメリットがありません。
景気が回復してきてから募集しても人は集まります。
景気によって採用数がバラバラなので世代によってパイロットの数が違います。
逆に景気が良ければ大量に採用されるので、数十年後にその世代が定年退職を迎えると一気にパイロットが抜けて足りなくなることも起こり得ます。
ライセンスを持っていればチャンスはいくらでもある
これまで同時多発テロ、リーマンショック、日本航空(JAL)破綻、新型コロナウイルスの蔓延など様々なことがあるたびに航空大学校の就職率は落ち込みました。
日本航空(JAL)が破綻した時、それまで就職率100%だった航空大学校の就職率は落ち込みました。
卒業をしてライセンスを取ったにもかかわらず、JALグループの採用が無くなったため卒業生は就職先が決まらずあふれました。
しかし、その後数年のうちにグループ会社の採用が再開し、今では日本航空の採用も再開しています。
当時卒業時に就職できなかった人も、その後1~2年でほぼ全員就職しました。
パイロットの中途採用はかなりの頻度で色々な会社で求人募集があり、航空大学校出身であれば何回も受けていればそのうち就職できます。
航空会社も昔のようにJAL、ANAグループの2択ではなく、LCCなど多様な選択肢があります。
免許のある職種は強い
パイロット免許は国際的に通用する国家資格です。そのため会社が倒産したとしても自分を裏切りません。
その免許を生かして他社に移ることができます。すでに飛行経験がある人(特に機長)は即戦力なので不景気でも採用される可能性が高いです。
実際に日本航空(JAL)が破綻した時も多くのパイロットは他の航空会社に再就職しました。
また、日本のライセンスは世界的に評価が高く、海外の航空会社も一目置いているそうです。そのため、語学さえできればその免許を生かして海外の航空会社で働くこともできます。
ライセンスを取ってしまえば何とでもなるので、不景気でも就活の心配はせずにライセンスを取ることに集中するべきだと思います。
まとめ
・不景気になったら採用は減り、好景気時は増える
・ライセンスを取ることが一番大事
・ライセンスさえあれば国内外で転職できる