ここだけのパイロットの話

太平洋のど真ん中!!ミッドウェー島について

投稿日:


Jです。

パイロットは目的地に向かって飛んでいる最中は常に何かあったら途中で降りることができる空港を確保しながら飛んでいます。

例えば東京―福岡であれば途中に降りることができる空港は伊丹、関空、中部セントレアをはじめとしてたくさんあります。

しかし、それが国際線で太平洋のど真ん中を飛ばなければならない場合はどうなのでしょうか?

 

結論を言うと大丈夫です。

 

太平洋のど真ん中であろうとどこを飛んでいたとしても所定の範囲内に降りられる空港を確保しているのです。

太平洋上で緊急事態に陥った時の代替飛行場としてよく選定される飛行場を紹介します。

 

太平洋のど真ん中にあるミッドウェー島(PMDY)

太平洋の真ん中に浮かんでいるミッドウェーという小さい島があります。

この島の飛行場がよく代替飛行場に選定されます。

太平洋戦争の舞台にもなった島です。地図を見ていただければわかる通り、島のほとんどが滑走路です。

このミッドウェー島は奄美大島とほぼ同じ緯度(北緯28度付近)です。

もっと南にあるイメージでした。

現在は民間人の立ち入りは制限されており、旅行などで立ち入ることはできません。

アメリカ政府関係者が数人住んでいるそうです。

滑走路(RWY6/24)の長さは2300mほどあるので大型機でも着陸することができます。

 

アホウドリの島と言っても過言ではない

この島にはアホウドリが群れで住み着いています。

住み着いているどころではありません。

アホウドリで足の踏み場が無いほどです。

島全体がこんな感じでアホウドリに覆われています。

それにしても多いです。

何羽いるのでしょうか。

 

バードストライクが恐ろしすぎる

これだけ鳥が生息している島に飛行機で飛んでいくのはバードストライクの危険性が高すぎて怖いです。

1匹1匹がなかなかの大きさです。

しかも、この島に行くときというのは100%が緊急時です。

エンジンが1つ壊れて、生きているエンジンが1つしかない状態でこの鳥の群れが住み着いている島に行くのは生きた心地がしません。

もう1つのエンジンが鳥を吸い込まないように細心の注意を払わなければなりません。

 

ミッドウェーには1度旅行してみたい場所の1つですが、乗務中エンジンが壊れて向かうのだけはご免ですね。

 


-ここだけのパイロットの話

執筆者:

関連記事

言ったら終わり??訓練中の禁句トップ3

Jです。 パイロットになるまでには様々な訓練があります。 その途中でいろいろうまくいかないことも出てきて苦労すると思います。 教官も一人前のパイロットに育てようと必死なわけですから時には厳しい言葉をか …

パイロットの世界は美しき譲り合いの精神でできている笑

Jです。 今回の記事ではパイロットという職業の良いところのひとつを紹介します。 それは職場の環境です。 どのような環境かというと一言で言うと「他人と競わない」ということです。 これについて詳しく書いて …

航空大学校過去問解説

航空大学校過去問【2018年度(H30) 総合Ⅱ 解答・解説】

Jです。   航空大学校過去問解説です。 他の年度の過去問解説もありますのでブログの「航空大学校過去問解説」からチェックしてみてください。 毎年同じような問題なので傾向と対策は立てやすいかと …

お酒

パイロットを長く続けるための健康管理~毎日の積み重ねが重要です~

Jです。 健康管理なんかやってますか?? 健康についての質問を良く受けるので、今回は健康についての記事です。 20代、30代の若いうちはみんなわりと健康です。 フライトしていると、たまに「今日から病欠 …

航空大学校の2次試験(身体検査)に健康でも落ちる理由

Jです。 今回ですけども、航空大学校2次試験の仕組みについて解説したいと思います。 もし航空身体検査を前もって自前で受けて問題なければ、本番の航空大学校2次試験の身体検査は大丈夫かという質問をよく受け …