関西国際空港の特徴
大阪湾に浮かぶ人工島に作られた24時間運用の空港。
大阪国際(伊丹)空港と並んで関西の主要空港。
大阪湾には同じく人工島の神戸空港もあり、お互いの空港の飛行機同士が邪魔しないような作りになっている。
滑走路はRWY06R/24L(3500m)・RWY06L/24R(4000m)の2本。
4000mの滑走路は日本では最長である。
4000mの滑走路があるのは日本の他の空港では成田空港のRWY16R/34Lだけである。
運用だが、主にRWY06R/24L(陸側)の滑走路が離陸で、RWY06L/24R(海側)が着陸に使用される。
深夜時間帯などの交通量が少ない場合は滑走路1本運用が行われる。その場合、日によって運用する滑走路は変わる。
1.到着経路とアプローチ
主に着陸はRWY06L/24R(海側の滑走路)が使用される。
飛行機が少ない時間には06R/24Lも着陸に使用されることがある。
全ての滑走路においてILSアプローチを実施できる。
RWY06R:ILS Y RWY06R Approach
RWY06L:ILS Y RWY06L Approach
RWY24R:ILS Z RWY24R Approach
RWY24L:ILS Z RWY24L Approach
北風運用の時にはRWY06L/Rが、南風の時にはRWY24L/Rが使用される。
RWY06L/R使用時は南から海上を飛行してそのまま入っていけるが、RWY24L/Rだと淡路島の上を通って神戸の方から回りこまないといけないので10分ほど余計に時間がかかる。
また、神戸空港の付近の空域を通るのでRWY24L/Rの運用だと速度制限と高度制限が多いので気を遣う。(制限ガチガチ)
下のチャートを見れば分かるが、MAYAHはかなり神戸空港に近い。
(ILS Z RWY24R Approach:AIP Aerodromes RJBBから引用)
MAYAHというポイントからアプローチが始まるが、この点を4000ftちょうどで飛行することが求められている。
その後もBB450を2600ftちょうど、かつSpeed185kt以下で通過し、BB452を2000ft以上、BEIGEを1600ft以上で通過する。
MAYAH(4000ft)からBB450(2600ft)までの6.6NMの間に高度を1400ft降ろさなければならず、さらにBB450のSpeedはMAX185ktなので、MAYAH通過の時点で既にSpeedを185kt以下に落としていないと制限を守るのが厳しくなってくる。
関西国際空港ではこのアプローチが最も注意すべきアプローチであることは間違いない。
2.出発と離陸経路
主に離陸はRWY06R/24L(陸側)が使用される。
長さが3500mあるので非常に助かる。
神戸空港が北にあるため、RWY06Rから離陸した時には神戸空港の離発着する飛行機に注意である。
騒音問題にシビアであり、泉佐野市がある空港東側の陸地には絶対に近づかないようにする必要がある。
西風が強い場合でも、流されてしまって陸地の方に近づかないように操縦する。
(Kansai 1 Departure :AIP Aerodromes RJBBから引用)
上記のチャートはSID(Standard Instrument Departure)の1つ”Kansai 1 Departure”であるが、離陸後大阪湾に出て高度を稼ぎ、最終的に空港の上空(KNE)まで戻ってくる出発経路である。
KNE上空を8000ft以上で通過するという制限がついているが、これは騒音軽減のために付された制限である。
3.関西アプローチは日本有数の危険な空域
関西国際空港周辺には神戸空港、大阪国際(伊丹)空港、少し西に行けば高松空港、岡山空港、広島空港があり、かなり混雑した空域である。
この付近の空域の出発・アプローチエリアは関西アプローチが一括管轄しているが、パイロットは飛行機同士が近づかないように十分注意しなければならない。
日本でもここよりも混雑している空域は無いんじゃないかと思う。
羽田空港も混雑はしているが、目的地が羽田くらいしかないのでそこまで危なくはない。
しかし、関西国際空港周辺を飛んでいる飛行機は出発地・目的地がバラバラなのでどっちに行っているか読みにくいし、経路・高度も輻輳していて危ない。
ちなみにおすすめのお土産は「赤福」。
>>>関西国際空港ホームページ