ここだけのパイロットの話

訓練生へ~パイロットは訓練時間無制限であれば誰でもなれる~

投稿日:22/07/2020 更新日:


今回ですけども、エアラインパイロット(副操縦士)になるための訓練について思うことです。

僕はパイロットになるのに素質は特に必要ないと思っています。飛行機の操縦自体はそんなに難しいものではないからです。

さて、エアラインパイロット(副操縦士)になるための訓練ですが、どのような内容を想像しますか?

ほとんどの人が厳しい訓練を想像されるかと思います。しかし、実際の内容はそんなに大したことをしているわけではありません。

①飛行機についての座学をする
②教官と飛行機(もしくはシミュレーター)に乗って指導を受ける
③試験を受ける

この3段階です。自動車教習所と同じカリキュラムです。

しかし、一般的にパイロットになるのは難しいとされています。どこがどう難しいのでしょうか?

パイロット昇格訓練のどこがどう難しいのか?

パイロットの訓練の内容自体が厳しいわけではなく、知識・技量を限られた時間の中で試験合格レベルに持っていくことが厳しいです。

つまり、練習時間が無限にあれば誰でも免許を取得することは可能ということです。

自動車の教習所で例えたら分かりやすいです。

車の免許はほとんどの人が取ることができます。落ちた人の話はあまり聞いたことがありません。

それは、練習に十分な時間が与えられているからです。

例えば、もし自動車教習所での座学が1日実習が1回だけ、仮免許での路上実習が1回だけの計3日で卒業試験を受けろと言ったらどうなるでしょうか?

おそらく試験に落ちる人は増えると思います。

飛行機の免許で自家用操縦士という資格があります。趣味でセスナなどの飛行機を飛ばすために必要な免許です。

この免許はお金と時間があれば誰でも取ることができます。試験に受かるレベルまで練習を好きなだけ積んでから試験を受ければいいからです。

訓練時間の上限は決まっている

自分でセスナを運転したいと思って免許を取る時、そのお金は当然自分で出します。

では、エアラインパイロットになるための訓練費用は誰が出すのでしょうか?

それは、その人が所属している航空会社です。(航空大学校であれば税金)

当然ながら航空会社としては訓練をしても1円の儲けにもならないので、安く費用を押さえようとします。会社は必要最低限の訓練回数で訓練カリキュラムを組んできます。

逆に言うと、会社にとってはその決められた訓練回数で合格できなければその人はいらないという考えです。

これがなかなか厳しいです。訓練回数厳しすぎです。

時間不足を補う方法

圧倒的な訓練不足時間を補う方法があります。それが以下の2つです。

①1回1回の訓練を大切にする

訓練時間が少ないことをどうやってカバーするかということですが、まずは予習をきっちりやって1回1回の訓練を大切にすることです。

なんとなく訓練をしてなんとなく時間だけが過ぎていくのが1番ダメです。

②他人の失敗や経験も自分のものとして学ぶ

他の記事で「訓練では他人と情報共有することが大事で、同じ失敗を同期がしないようにする」と書きました。

その理由は、全員が同じ失敗を1回ずつする時間的余裕はないからです。

同期で助け合うというのは決してきれいごとではなく、そういう理由からです。

もしこれから訓練に入る人は効率よく頑張ってほしいです。


-ここだけのパイロットの話
-

執筆者:

関連記事

東京国際空港(羽田空港)【RJTT/HND】

東京国際空港の特徴 混雑空港でトラフィックは多い。 羽田空港1日の便数~1番混雑する時間帯は?~ 1.到着経路とアプローチ 到着経路は北風時と南風時で分かれるのが普通だが、羽田空港はそれに加えて天気の …

空港の風景

パイロット失業寸前??AI vs 人間

今回ですけども、将来的にAIに仕事を奪われるかについてです。 日頃仕事で飛行機に乗れば乗るほど「飛行機作った人天才」って思うわけですよ。 そもそもあんなに大きな鉄のかたまりが空を飛ぶなんてすごいことだ …

揺れを完全に予測するのは難しい

今回ですけども、揺れとシートベルト着用サインについての記事です。 トイレに行きたいのにシートベルトサインがなかなか消えないことは良くありますよね。 全然揺れていないのに何でシートベルトサインが消えない …

飛行機の離陸!!インターセクションデパーチャーって何?

今回ですけども、パイロットがよくやるインターセクションデパーチャーについてです。 インターセクションデパーチャーの説明、メリット・デメリット、実際の運用がどうなっているかについて書いていきたいと思いま …

コックピットからの写真撮影がダメなのかどうかは法律の解釈の問題

過去、日本人パイロットがコックピットからの景色を写真撮影してSNSにアップし処分されたという例はたくさんあります。 しかし、Twitter、Youtubeなどを見たらそのような画像や映像は多いですが、 …