Jです。
今回ですけども、飛行機の都心飛行ルートについてです。
「都心飛行ルート反対!!」というのをテレビで見たことがあるので書いてみました。
本当に反対すべきことなのでしょうか?
見てみましょう。
目次
東京国際空港(羽田)の滑走路の運用方法は複雑
さて、都心飛行ルートの前に、まずは東京国際空港(羽田)の滑走路の運用についてみてみましょう。
羽田空港は滑走路が4本あります。簡単な図にしました。
そしてこの4本の滑走路の運用方法は大きく分けて2通りあります。
①北風運用と②南風運用です。
飛行機は向かい風の方が有利なため、原則風上に向かって離着陸できるように運用しますが、羽田空港は超混雑空港なので特殊な滑走路運用をしています。
それぞれ①北風運用と②南風運用でどの滑走路を使用するのか見てみましょう。
北風運用:北寄りの風の時
離陸:C&D滑走路
着陸:A&C滑走路
となります。ちなみに、C滑走路から離陸した飛行機は都心を避けるためにすぐに右に曲がります。
南風運用:南寄りの風の時
離陸:A&C滑走路
着陸:B&D滑走路
となります。
この上記の北風運用と南風運用はどちらも従来からの滑走路運用方法で、いわゆる都心飛行ルートではありません。
離発着回数を増やすために導入された新ルート
さて、では以上をふまえた上で都心飛行ルートを見てみましょう。
都心飛行ルートは南風運用の時のみ運用されます。
北風運用の時は従来の北風運用と同じです。
南風運用都心上空飛行ルート:15時~19時限定
離陸:A&B&C滑走路
着陸:A&C滑走路(都心からまっすぐ入ってくる)
となります。
さて、従来の南風運用と着陸の滑走路が全く違いますし、離陸に使用する滑走路は3本になっています。
この方が従来の使用方法よりも飛行機を効率よくさばくことができ、単位時間当たりの離発着回数を増やすことができます。
この着陸経路の一部が品川や渋谷の上空を通るわけです。
騒音問題を考慮して運用は15時~19時の間に限られています。
都心飛行ルートは実は東京だけではない
都心飛行ルートに反対している人の理由はおおむね以下の事項です。
・騒音
・落下物の懸念
確かにそれらは考えられなければならないことです。
しかし、これらが問題になっているのは東京だけではありません。
その空港は伊丹空港と福岡空港です。
この伊丹空港は大阪の人口密集地よりもやや北に位置しますが、着陸機は大阪中心部真上を通ります。
福岡空港は空港自体が街中にありますので離陸も着陸も人口密集地の飛行になります。
東京の場合、都心飛行ルートとなるのは南風運用時かつ15時~19時の間でした。
伊丹・福岡は風向き関係なく、時間も制限がありません。
いつも頭の上を飛んでいきます。
なぜ東京だけ反対なのでしょうか?
東京の都心ルートに反対する人は、伊丹・福岡空港の飛行ルートの方も反対すべきだと思います。
そうなるともはやどこも飛べなくなりますが。
そう思うのは僕だけでしょうか。