今回の記事はCATⅡ・CATⅢについてです。
目次
CATⅡ・Ⅲの設備がある国内空港
CATⅡのみの空港
中部セントレアRJGG RWY18(3500m×60m)
関西国際RJBB All RWY(4000m&3500m×60m)
CATⅢのみの空港
釧路RJCK RWY17(2500m×45m)
広島RJOA RWY10(3000m×60m)
CATⅡ・Ⅲ両方ある空港
新千歳RJCC RWY19R(3000m×60m)
青森RJSA RWY24(3000m×60m)
成田RJAA RWY16R(4000m×60m)
羽田RJTT RWY34R(3000m×60m)
中部セントレアRJGG RWY36(3500m×60m)
熊本RJFT RWY07(3000m×45m)
滑走路末端LOC1dotのズレはどの位置か
ILSのGlide slopeのビームは滑走路末端で50ft(15m)の高さを通ります。
その位置でLOCがズレていた時にどれくらい滑走路の中心からズレているのでしょうか。
LOCのビームは飛行機が進入する方の滑走路末端でフルスケール横幅が210m(700ft)になるように設定されています。
したがって、RWYの長さが違ってもThreshold通過時の1dotのズレは同じになっています。
LOCのビームはRWY17末端で210mの幅(4dot分)となるように設定されているので、「210m÷4」で1dotあたり52.5mのズレです。これでは滑走路には降りられません。
さらにその半分の1/2dotだと、26.25mのズレです。
1/2dotでは45m幅(片側22.5m)の滑走路からははみ出しており、60m幅(片側30m)の滑走路には収まっていることが分かります。
1/3dotを考えてみると17.5mのズレです。
1/3dotだと45m幅(片側22.5m)の滑走路でも60m幅(片側30m)の滑走路でも滑走路の幅に収まっていることが分かります。
つまり1/3dotのズレだと45m幅でも5mの余裕があります。
各空港のデータ
各空港を見てみると
①2500m×45m
②3000m×45m
③3000m×60m
④3500m×60m
⑤4000m×60m
の5パターンしかありません。
滑走路の長さによってビームの角度が異なります。
①2500m×45mの場合
釧路空港が該当します。
(AIP AD RJCKから引用)
上記チャートより、LOCアンテナからRWY17の末端までの長さは2,734mです。
LOCのフルスケールの角度は「角度=2×tan-1(105/2734)」で求めることができます。
計算するとLOCビームのフルスケールは約4.4°となります。
②3000m×45mの場合
熊本空港が該当します。
(AIP AD RJFTから引用)
同じく計算するとLOCビームのフルスケールは約3.7°となります。
③3000m×60mの場合
青森、新千歳、羽田、広島の4空港が該当します。
(AIP AD RJSAから引用)
(AIP AD RJCCから引用)
同じく計算するとLOCビームのフルスケールは約3.7°となります。
(AIP AD RJTTから引用)
同じく計算するとLOCビームのフルスケールは約3.7°となります。
(AIP AD RJOAから引用)
同じく計算するとLOCビームのフルスケールは約3.6°となります。
④3500m×60mの場合
中部セントレア空港のRWY36が該当します。
(AIP AD RJGGから引用)
同じく計算するとLOCビームのフルスケールは約3.1°となります。
⑤4000m×60mの場合
成田国際空港が該当します。
(AIP AD RJAAから引用)
同じく計算するとLOCビームのフルスケールは約2.7°となります。
まとめ
・Threshold通過時にLOCが1/2dotズレていたら45m幅の滑走路からははみ出ているが60m幅の滑走路の中には収まっている
・Threshold通過時にLOCが1/3dotズレていたら45m幅でも60m幅でも滑走路内に収まっている