Jです。
今回ですけども、ATC(航空無線)についてです。
ATCとは何か簡単に説明します。パイロットと管制官は常に無線でやり取りをしています。その時にやり取りする言葉は日本語でやり取りするわけではありません。航空無線用語でやり取りしています。それをATCと言います。
【ATCの例】
”turn right HDG 270、descend & maintain FL170”
⇒「右旋回で針路270度に向けて、17000ftまで降下してその高度を維持せよ」
”reduce speed 210kt”⇒「速度を210ktまで減速せよ」
”RWY 34R,cleared to land ,wind 070 at 10”
⇒「滑走路34R、着陸支障なし。風は070度から10kt」
こんな感じです。使っている単語は英語ですが、文法は英語ではありません。これがATCです。
管制官の指示は必ず復唱しなければならない
管制官からの高度、速度、針路の指示は必ず復唱しなければなりません。
管制官:”(便名)、turn left HDG 060、reduce speed 220kt”
パイロット:”turn left HDG 060、speed 220kt、(便名)”
一瞬で4つのことを覚えるのは慣れが必要
人間の短期記憶には限界があります。
ところが、1度に3つも4つも指示を出してくる人がたまにいます。
いや、いいんです。いいんですけど、覚えるのが大変なんです。
一瞬気を抜くとどれかを忘れてしまいます。
パイロットは無線だけやっているわけではなくて他のこともやっているので・・・。
管制官:”(便名)turn right HDG 090、descend & maintain 12000、reduce speed 210kt、QNH29.86”
パイロット:”right HDG 090、maintain 12000、speed・・・えー、say again”
このようなやり取りは日常茶飯事です。わからなければ聞き直せばいいので安全には支障はありません。
訓練の時には慣れていないのでこんなに言われると覚えられず何度も聞き直していました。今でもたまにわからなくなることがあります。