ここだけのパイロットの話 質問箱

国際線で十何時間も何してるんですか?

投稿日:20/12/2020 更新日:

今回もよくある質問に答えていきたいと思います。

国際線のフライトは時間が長いです。

そのフライト時間中上空で何しているかはよく聞かれます。

長距離国際線の上空でやること

さて、オートパイロットが操縦をしている中で、パイロットは何をしているのでしょうか?

以下に箇条書きで書き出してみました。

①オートパイロットへのコマンド入力
②計器、システムのモニター
③エンルートや近くの空港の天気
④揺れを回避するための策

こんなところです。

①オートパイロットへのコマンド入力

管制指示があった場合にその指示通りに飛ぶためにはオートパイロットにその指示を入力しないといけません。

経路の変更、高度の変更は勝手に機械がやってくれるわけではありません。機械がやってくれるのは針路の維持、高度の維持、上昇率降下率の維持です。

その守るべき針路・高度・上昇降下率はパイロットが状況に合わせて入力します。

②計器、システムのモニター

これは国際線国内線関係なく常にやっています。

操縦はオートパイロットですが、そのシステムが正常作動しているかどうかを常に監視しています。

飛行機には様々なシステムがあります。

ハイドロ、電気、与圧、フライトコントロール、エンジン等全ての正常作動をモニターします。

また、何も起こらないときにも、もしエンジンが止まったらどうするか、もし急減圧が起きたらどうするかを考えています。

絶対に全てを機械任せにすることはありません

③エンルートや近くの空港の天気

飛行経路(エンルート)の天気や、飛行経路近くの空港の天気をチェックします。

このチェックする作業自体は大して時間はかかりません。

エアラインの飛行機にはACARS(エーカーズ)という機械が搭載されています。

ACARSはコミュニケーションツールの1つで、データを送受信することができます。

このACARSはVHF周波数の他にSATCOMという衛星回線を通して通信をするので、VHFの周波数が届かない洋上でもデータを送受信することができます。

受信したデータは飛行機の画面上に映し出されます。天気以外の様々な情報も送受信できます。

④揺れを回避するための策

揺れを回避するのはオートパイロットにはできません。

揺れの回避は人間の仕事です。

揺れを回避するために高度を変えるか、経路を変えるか、その時々の判断で違いますが、何かしらのアクションをします。

まとめ

このように様々なことをしています。

オートパイロットは入力したことはやってくれますが、「判断」はしません。したがって、判断はパイロットがしなければなりません。

決して本を読んだりしているわけではありません(笑)

-ここだけのパイロットの話, 質問箱
-

執筆者:

関連記事

フライトレーダーを見たらあまりの飛行機の多さに愕然

今回ですけども、意外に知られていない空の話です。 空は広くて飛ぶ場所は無限にあると思っていませんか? 車と飛行機どっちが自由だと思いますか? 実は、空は規則やルールでガチガチに固められていて自由は存在 …

晴れの空

全国の各空港の天気を誰でも簡単に確認できる方法

パイロットにとって空港の天気を確認することはとても重要です。 天気と言ってもただ単に「晴れ」「くもり」「雨」が分かればいいわけではありません。 具体的には風向風速、雲底高度、視程、その他運航の阻害とな …

航空大学校2年間のスケジュールおおざっぱにこんな感じ

今回ですけども、航空大学校の2年間の課程をおおざっぱに紹介します。 入学と共に全員寮に入る(全寮制) 全寮制です。ひとり1部屋ではありません。 初めは宮崎フライト課程の先輩と座学課程の後輩で一緒の部屋 …

航空大学校の卒業時期と就職・入社時期の関係

今回ですけども、航空大学校から航空会社への就職時期についてです。 一般的な就職は4月ですが、航空大学校の場合はかなり独特になっています。 航空大学校の入学式は年4回ある 当然ですが航空大学校の入試は年 …

航空大学校の2次試験(身体検査)に健康でも落ちる理由

今回ですけども、航空大学校2次試験の仕組みについて解説したいと思います。 もし航空身体検査を前もって自前で受けて問題なければ、本番の航空大学校2次試験の身体検査は大丈夫かという質問をよく受けます。 実 …