今回もよくある質問に答えていきたいと思います。
国際線のフライトは時間が長いです。
そのフライト時間中上空で何しているかはよく聞かれます。
目次
長距離国際線の上空でやること
さて、オートパイロットが操縦をしている中で、パイロットは何をしているのでしょうか?
以下に箇条書きで書き出してみました。
①オートパイロットへのコマンド入力
②計器、システムのモニター
③エンルートや近くの空港の天気
④揺れを回避するための策
こんなところです。
①オートパイロットへのコマンド入力
管制指示があった場合にその指示通りに飛ぶためにはオートパイロットにその指示を入力しないといけません。
経路の変更、高度の変更は勝手に機械がやってくれるわけではありません。機械がやってくれるのは針路の維持、高度の維持、上昇率降下率の維持です。
その守るべき針路・高度・上昇降下率はパイロットが状況に合わせて入力します。
②計器、システムのモニター
これは国際線国内線関係なく常にやっています。
操縦はオートパイロットですが、そのシステムが正常作動しているかどうかを常に監視しています。
飛行機には様々なシステムがあります。
ハイドロ、電気、与圧、フライトコントロール、エンジン等全ての正常作動をモニターします。
また、何も起こらないときにも、もしエンジンが止まったらどうするか、もし急減圧が起きたらどうするかを考えています。
絶対に全てを機械任せにすることはありません。
③エンルートや近くの空港の天気
飛行経路(エンルート)の天気や、飛行経路近くの空港の天気をチェックします。
このチェックする作業自体は大して時間はかかりません。
エアラインの飛行機にはACARS(エーカーズ)という機械が搭載されています。
ACARSはコミュニケーションツールの1つで、データを送受信することができます。
このACARSはVHF周波数の他にSATCOMという衛星回線を通して通信をするので、VHFの周波数が届かない洋上でもデータを送受信することができます。
受信したデータは飛行機の画面上に映し出されます。天気以外の様々な情報も送受信できます。
④揺れを回避するための策
揺れを回避するのはオートパイロットにはできません。
揺れの回避は人間の仕事です。
揺れを回避するために高度を変えるか、経路を変えるか、その時々の判断で違いますが、何かしらのアクションをします。
まとめ
このように様々なことをしています。
オートパイロットは入力したことはやってくれますが、「判断」はしません。したがって、判断はパイロットがしなければなりません。
決して本を読んだりしているわけではありません(笑)