ここだけのパイロットの話

羽田空港(RJTT/HND)のLDA W RWY22 Approach

投稿日:08/07/2024 更新日:


Jです。

今回は羽田空港のLDA W RWY22 Approachのポイントまとめです。

このApproach実施時、右の窓側席に座るお客さんはディズニーランドを観ることができますよ。

LDA W RWY22 Approach

(LDA W RWY22 Approach:AIP Aerodromes RJTTから引用)

ポイントは何でしょうか?

まずBACONからBONDOまでは高度の制限が多いです。

そしてFAF以降の降下計画はパイロットの自由です。

BONDO(FAF)以降の降下計画

(LDA W RWY22 Approach:AIP Aerodromes RJTTから抜粋引用)

ILSと違って縦のガイダンスが無いので自分で降下計画を立てる必要があります。

どうせなら効率的に行きたいですよね。

MAPtを何ftで通過したいかをまず考えます。

(Visual Prescribed Track for LDA W RWY22:AIP Aerodromes RJTTから抜粋引用)

Google EarthなどでTrackの距離を測ってみるとMAPtからTouchdown pointまでの距離は約4.2NMとなります。

大体アプローチは3°Pathで行うので、4.2×318=1,335ftでMAPtを約1300ftでヒットすればそのまま滑走路まで3度Pathで行ける。

BONDO(D12.7IKL)の通過高度はmandatory 5000’と決まっていて、BONDO(5000ft)~MAPt(1,335ft)間が11.6NMなので、1NM当たり316ftの計算です。

つまり、BONDO 5000ftからほぼ3度Pathとなる降下率で降りていけば良いことになります。

よって、MAPtを1200~1300ftでヒットしてそのまま滑走路まで3度Pathをキープしていくことが最も効率的だということになります。

しかし、個人的にはもっと低め低めで降ろしていっても良いと思っています。その方が簡単です。

ここではminimumの1000ftを下回らなければOKです。

MAPt以降の飛び方

MAPt以降横方向をどう飛ぶべきかもVisual Prescribed Trackに書かれています。

(Visual Prescribed Track for LDA W RWY22:AIP Aerodromes RJTTから抜粋引用)

通過する人工島をマップで見てみましょう。

上の地図にある大きな道路「東京港臨海道路」の上を飛ぶようにターンするとRWY22に上手くアラインできます。

気温がPathに影響してくる

気温が高いと飛行機の真高度は高くなります。「計器高度=真高度」となるのは標準大気中(海面上気温15℃)を飛んでいる時だけです。

同じ計器高度1,000ftでも海面気温が15℃よりも高ければ真高度は1,000ftよりも高くなります。

どれくらい誤差が出るかの概算をすることができます。

一般的に10℃温度が違ったら4%の高度差が出ます。

例えば、15℃よりも10℃高い海面上気温25℃の空気中を計器高度1,000ftで飛ぶ場合、1,000ftの4%なので40ftの誤差が出て、実際には真高度1,040ftで飛んでいるということです。

さて、MAPtを1,335ftで通過すれば3度のPathで降下できると言いましたが、これは15℃の時の話です。

真高度1335ftで通過するためには計算が必要です。10℃で4%の差が出るので、各気温に対する計器高度の計算結果は以下の通りです。

35℃=1,228ft
25℃=1,281ft
15℃=1,335ft
5℃=1,388ft
-5℃=1,441ft

毎回同じ1,335ftで気温によって実際の高度は変わってきます。

面倒だと一律1200ftで通過すると決めておくと、Pathが3度よりも高くなることはないですね。

どれくらいの視程になったら厳しい??

LDA W RWY22 ApproachのLanding minimaは視程6,000mです。

実はRWY22のApproach Lightの先端からMAPtまでの距離は水平距離で約6300mです。つまり、6000mで実施した場合はMAPtの時点でVisual referenceを目視できない可能性が高いです。

卓越視程なので見える可能性もありますが、かなり厳しいでしょう。そういう時にはとにかく早く1000ftに降りることが重要です。

ちなみにFAFのBONDOとRWY22のApproach Lightの先端の水平距離は約25kmなので視程25kmあればBONDOから見えるということになります。

経験上、RWY22は東京の街が背景にあるので見つけにくいです。視程が良くてもある程度近づかなければ見えません。

羽田空港(RJTT/HND)のLDA W RWY23 Approach


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