ここだけのパイロットの話

航空大学校の卒業時期と就職・入社時期の関係

投稿日:16/02/2021 更新日:


今回ですけども、航空大学校から航空会社への就職時期についてです。

一般的な就職は4月ですが、航空大学校の場合はかなり独特になっています。

航空大学校の入学式は年4回ある

当然ですが航空大学校の入試は年に1回です。

合格者の定員は108名です。

しかし、訓練機の数は限られていますし1度に108名が飛行訓練はできないので4つのグループに分かれて入学します

108名を4で割ると27名です。

通常は27名ずつが6月、9月、12月、翌年の3月の4回(3カ月違い)に分けて入学します。

したがって、同じ入学試験を受けた人でも最初の6月入学と最後の3月入学では9カ月の差ができることになります。

卒業式、航空会社採用も年に4回ある

入学式が年に4回あるということは当然卒業式も年に4回(3カ月ごと)あります。

就職活動も各回期ごとにあるので、航空会社は年に4回採用活動を行っています。

航空会社の航大採用担当者は年に4回航大に来ます。

航空会社への入社時期について

会社にもよりますが、基本的には航空大学校を卒業したら速やかに入社することになっています。

一律4月入社ではありません。

(例えば11月に卒業したら12月に入社など)

したがって、一般の就職と違って中途半端な時期に入社になります。

早く卒業すれば早く入社することができるのです。

航空大学校に入学するのが早ければ早いほど入社も早くなります。

入学時期は希望は出せるが決めるのは学校側

早く入学した方が生涯年収も上がることから早めの時期は人気が集中しそうです。

入学時期は希望を出せます。

しかし、決めるのは航空大学校側です。

各回期の定員は27名なので27名に満たない場合は希望が通りますが、27名以上の希望があった場合全員が希望通りのタイミングで入学はできません。

その場合は、年齢が上の人が優先的に先の入学になると言われています。

年齢が下の人は後に回されがちです。

入学時期で訓練と就活に有利不利は全く無い

生涯年収は変わってきますが、入学してしまえば入学時期によって有利不利はありません。

しいて言うなら、訓練の季節が違うくらいです。

帯広に夏に行けば快適ですが、冬に行けばドカ雪で極寒(-30℃)というくらいです。

個人的な感想ですが、どの季節でも行けば楽しいです。

訓練や就職活動はそれぞれの回期ごとに同じように行われるので平等です。

まとめ

まとめると以下のことが言えます。

・就職の時期は年4回
・就職時期は航大の卒業時期による
・生涯年収は違ってくる
・航大入学の時期が訓練や就活で有利不利になることはない

 

以上です。


-ここだけのパイロットの話
-,

執筆者:

関連記事

夏より冬の方が飛行機は低いところを通るけど大丈夫?

今回ですけども、飛行機の高度な話です。 5000ftは本当に5000ftなのか 飛行機の高度計は必ずしも真の高度を示しているわけではないということをご存知でしょうか。 都心上空を5000ftで飛ぶ場合 …

整体

整体に久々行ったら体がヤバかった

今回は整体の話をしようと思います。 僕は定期的に体のメンテナンスで整体に通っています。 マッサージではなく整体です。 整体に行く理由 健康であるにはフィジカルとメンタルの2つが健康である必要があります …

飛行機の画像

パイロットって2人いるけど、それぞれ何をしてるんですか?

今回ですけども、意外に知られていないパイロットについての質問に答えていこうと思います。 旅客機を飛ばす際に、常に操縦室には2名のパイロットがいることは有名な話です。 では、その2名が一体何をしているの …

パイロットの訓練で苦労する人の5つの特徴

今回ですけども、パイロットの訓練についてです。 会社に就職しただけでパイロットとして飛べるわけではありません。 会社で訓練をして審査に受かった人だけが、パイロットとして乗務することができます。 訓練回 …

太平洋のど真ん中!!ミッドウェー島について

パイロットは目的地に向かって飛んでいる最中は常に何かあったら途中で降りることができる空港を確保しながら飛んでいます。 例えば東京―福岡であれば途中に降りることができる空港は伊丹、関空、中部セントレアを …