ここだけのパイロットの話 質問箱

パイロットって薬飲んじゃダメなの?

投稿日:19/07/2020 更新日:

今回ですけども、よくされる質問「パイロットって薬飲んじゃダメなの?」に答えていきたいと思います。

原則は飲んだら乗るな

パイロットは自身が服用する薬にも気を遣わなければなりません。

原則は「飲んだら乗るな」です。

航空法第70条にはこう規定されています。

(航空法第70条)

航空機乗組員は、酒精飲料又は麻酔剤その他の薬品の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。

(航空法から引用)

つまり、もし薬を飲んだら、その影響がないと言い切れるまでは航空業務をしてはならないということです。

世の中に薬は無数に存在します。パイロットは医療に関して素人なので、どの薬が業務に支障がなくて、どの薬が副作用があるかの判断はできません。

そこで専門家の判断が必要になります。

薬の種類は大きく4つに分類される

そこで、国が薬を4つのカテゴリーに分類することで指針を示しています。

4つの分類に分けた基準は以下の通りです。

①飲んでもいいけど次の身体検査で飲んだことを報告するもの(事後報告)

②指定医に確認してから服用していいもの(事前報告)

③飲んでしまうと大臣判定(※)が必要なもの

④絶対飲んだらあかんやつ

※大臣判定:ルール上航空業務不可(不適合)となった者が、航空身体検査証明審査会(審査会)という専門家の会議で個々に検討されて例外的に適合と判断されれば、大臣から身体検査証明が発行される制度のこと。(救済制度)

詳しくどのような薬がどこに分類されているかは航空医学研究センターのホームページに記載がありますのでリンクを貼っておきます。

>>>航空医学研究センターのHP

わずらわしいけどそれも仕事の一部

4つに分けたからといって、全ての薬を網羅しているわけではなく、細かいルールを全て覚えているわけではありません。

従って、いちいち会社の医師に確認するのが無難だと思います。

大丈夫な薬だと思って乗務して、後から実は飲んではダメな薬だとわかったら航空法違反になってしまいます。

面倒ですが、それも含めて仕事なので仕方がありません。

乗務しているときだけが仕事ではなく日頃の体調管理も仕事なのです。

-ここだけのパイロットの話, 質問箱
-,

執筆者:

関連記事

航空大学校2年間のスケジュールおおざっぱにこんな感じ

今回ですけども、航空大学校の2年間の課程をおおざっぱに紹介します。 入学と共に全員寮に入る(全寮制) 全寮制です。ひとり1部屋ではありません。 初めは宮崎フライト課程の先輩と座学課程の後輩で一緒の部屋 …

モールス信号

モールス信号覚えてますか?

モールス信号覚えてますか? パイロットの仕事の中でも実はモールス信号が使われています。 飛行機は天気が悪い時にはILSというシステムで着陸しますが、その際使う電波にはアルファベットの3文字のIDが割り …

転職

パイロットの転職事情~外資のメリット・デメリット編~

パイロットの転職についての記事の続編です。 具体的にメリットやデメリットを書いてみました。 パイロットの転職について 外資のメリット 単年で見れば給料はかなり高額 円安もあり、年収7000万円など単年 …

計器飛行証明!雲に入るにも免許がいる

Jです。 今回ですけども、計器飛行証明というライセンスについてです。 エアラインパイロットとして飛ぶための必須のライセンスです。   航空大学校では最後の仙台課程で取得することができます。 …

Speed Brakeの効果について

今回ですけども、少し専門的な内容です。Speed Brake Systemについてです。 着陸後の翼 下の写真をご覧ください。 これは飛行機が着陸した直後の飛行機の翼の上の写真です。 飛行機が着陸する …