Jです。
今回ですけども、パイロットに必要な「集中力」の話です。
パイロットとして乗務するにあたってどこでどのように集中力を発揮すべきかを書きたいと思います。
人間の集中力は長くて15分くらいしか持続しない
まず、人間の能力の限界について押さえておきましょう。
周りが見えなくなってしまうほどの強い集中力は長くて15分くらいしか持たないという説があります。
その強い集中力を仕事している間ずっと維持するのは人間の能力的に不可能です。
しかし、パイロットの仕事で15分で終わるフライトはほぼ無いでしょう。
一体どのように集中すれば良いのでしょうか。
求められるのはダラダラと長い集中力
「ダラダラ」という言葉の印象はどうでしょう?
僕は誰かに怒られたときによく聞いた言葉なので良い印象はありません。
事あるごとに「ダラダラするな」と言われてきましたが、そのダラダラが必要になるとはその時は思いませんでした。
航空大学校の時に教官に言われたのは「パイロットはダラダラした緩い集中力を切らさないことが大事」ということです。
離着陸では集中してもらわなければ困ります。
しかし、あとは100%の集中力を短時間発揮させるのではなく、30%くらいの集中力を何時間ももたせることです。
ぼーっとしているように見えてやることはきっちりやるということです。
しかし、訓練は別です。
訓練は100%の集中力を発揮させることが大事だと思います。
ダラダラすることはけっして悪いことではありません。
日常生活でダラダラするなと怒られたら、緩く長い集中力を鍛錬していると言い訳けしましょう。
緊急事態は違うスイッチが入る
もし緊急事態に陥ってしまったら、人間には死にたくないという本能がありますので必死になります。
日頃ボケーっとしている人でも人が変わったようにキレキレになるでしょう。
その時にはアドレナリンが出ていてすごい集中力を発揮します。
緊急事態の状況下でも思考が停止せずにアドレナリンが出てテキパキと行動できることはパイロットになるのに唯一必要な資質と言えるでしょう。
このように仕事の特性によって集中の仕方は様々です。
パイロットという職業は、大事なところとそうではないところのONとOFFの使い分けが特に大事だと思います。