Jです。
今回ですけども、飛行機の力学についてです。
飛行機は急には曲がれません。
曲がると決めて旋回を始めて90°変針した時にどれくらいの旋回半径となるのでしょうか。
また、飛行機の旋回半径はどのような式で表されるのでしょうか?
導いてみました。また、飛行機特有の速度の単位knot(ノット)に合わせた使い勝手の良い単位に変換してみました。
旋回半径はずっと使うので覚えておいて損はないです。
旋回半径の計算式
さて、この状態から旋回半径を出していきます。
旋回半径をRとしています。ここではRを出すのが目標です。
力学なので力を書き入れていきます。
まず、飛行機が旋回するのを後ろから見た上記の図2から力を書き込んだ方が分かりやすいかもしれません。
飛行機に働く力はこのような力になります。
それぞれの図で立式してみます。
ここで、式の①と②から揚力Lを消します。
旋回半径の式が出ました。
ここで重要なのは旋回時の飛行機の傾きθが一定であれば、旋回半径Rは速度の2乗に比例するということです。
つまり、いつも同じBankで旋回するとすれば、飛行機の速度が決まれば旋回半径は決まるということです。
飛行機用の式に単位を変換する
導いた式のままでは少し使い勝手が悪いです。
式の中の重力加速度gは9.8m/s2です。また、速度の単位は[m/s]です。
飛行機の速度の単位はノット[knot]なのでそれに合わせた式にするとより便利です。
ちなみにノット[knot]という単位ですが、1knotは1時間に1ノーティカルマイル[NM]進むという意味です。
ノーティカルマイルは海里と呼ぶこともあり、1NM[海里]は1,852mです。
人間の歩く速さは大体時速4キロくらいですから、人間の歩く速さをノットに直すと約2ノットでしょうか。
飛行機の地上走行は大型機で20~30ノットくらいです。
話がそれましたが、単位を手直しします。
速度をknotで考える場合、重力加速度の単位が重力加速度が[m/s2]では都合が悪いです。
よって、9.8[m/s2]の単位を[knot/h2]に直しましょう。
したがって、V[knot]で飛行している旋回半径[NM]は以下の式で表すことができます。
これは覚えておいて損はないと思います。