Jです。
今回ですけども、質問【どうせ泊まり先で隠れてお酒飲んでるんでしょ?】これに答えていきたいと思います。
この質問内容は社会問題にもなり、多くのメディアで取り上げられたのでちょっと真面目に答えます。
【答え】全く飲んでない。
僕は全く飲んでませんし、おそらく他の人も全く飲んでません。理由は、クビになるからです。
苦労してなったパイロットの職をそんなしょうもない飲酒で失いたくありません。
ハイリスクノーリターンです。そこまで男気はありません。
いい機会ですので、パイロットの飲酒問題について少し解説します。
パイロットの飲酒については航空法第70条に規定されている
(航空法第70条)
航空機乗組員は、アルコール又は薬物の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。
<航空法より抜粋>
また運航規程審査要領細則にこう書かれています。
航空機乗組員及び客室乗務員は、少なくとも乗務前8時間以内の飲酒を行ってはならない
(運航規程審査要領細則より抜粋)
これを見てわかるように、具体的には8時間という数字があります。しかし、8時間前に飲酒をやめたとしても、お酒が残ってしまっては航空法第70条に引っかかってしまえば意味がありません。
多くの会社はこの8時間よりも厳しい基準を社内基準として導入しているのです。多くの日本の航空会社は12時間を導入しているらしいです。
従って、12時間ルールを守れば飲酒は問題ありませんが、多くのお酒を飲めば翌日にお酒が残ってしまいます。
今までは、時間の規定はありましたが、お酒の飲む量についての規定はありませんでした。しかし、乗務前のアルコール検査で引っかかる人が出たため今回その飲酒量についても基準が作られることとなりました。
規定がなければ自分の飲酒量も自己管理できないパイロットがいるとは情けない限りです。
そういう流れで今に至るわけです。僕は飲む量を気にしてお酒を飲みたくないので一切飲まないことにしました。もともとお酒をそんなに飲む方ではないので気になりません。
お酒が好きでたまらない人にとっては日本各地に泊まるこの職業はとても誘惑が多いでしょう。もしかしたらお酒好きには向いていない職業になってしまったかもしれません。
最後に1つだけ言わせてください。
航空会社の社員がアルコール問題を発生させたら国土交通省航空局にかなり怒られます。JAL、ANAは業務改善命令を出されました。もちろん問題を起こした当該社員は懲戒解雇です。
懲戒解雇については擁護できないと思いますが、航空局所属のパイロットが飲酒で引っかかった際の内部処分がただの停職で済まされたのは民間パイロットは誰も納得していないのでここに書いておきます。