Jです。
パイロットになって早くももう数年経ちました。コロナなどで経験を積めなくなった期間もありますが、年数だけは過ぎていきます。
先行きが不透明な時代です。
今回ですが、パイロットの転職について思うことを書いてみました。
「離職率は低い」の裏事情
パイロットの離職率は低いと言われていますが、これは正確ではありません。
「JALやANAなどの日系大手では離職率が低い」というのが正しいです。
パイロットはライセンスを持っているので世界中どこでも働くことができます。
そんな中で、会社を変えるというのは日常的に行われているのです。
しかし、パイロットは辞めるわけではありません。
日本の転職事情
そういった事情で、JAL、ANAの大手2社から他の日系航空会社に転職する人はほとんどいません。待遇や賃金面が下がるからです。
JALからANA、またはANAからJALへの転職はできません。しっかりと線引きがなされているようです。
子会社やグループ会社からの転職は結構あります。
大局的に見ると、パイロットは不足しており売り手市場です。
転職に有利なATPLライセンス
ATPL(定期運送用操縦士)というライセンスはエアライン機長をする上で必須のライセンスであり、これがないと受験資格がない募集があります。
例えば、機長・機長候補募集の採用試験ではATPLが要件になっていて、持っていないと受験すらできないということになります。
日本のエアラインだとATPLを持っていなくても副操縦士として乗務することが可能で、副操縦士の募集ならATPLの要件がない場合が多いです。
日本ではATPLは機長昇格訓練投入のタイミングで取得します。
航空会社によっては早いところで副操縦士昇格後5年程度で機長になれるところがあり、このATPLを取得できます。
JALやANAの大手2社は副操縦士になってから機長になるまでは約10年です。
外国のエアラインでは副操縦士でもATPLの資格を必須としているところが多く、外資に転職するならATPLの資格は必須です。
日系から外資への転職
ATPLを持っていれば外資の航空会社の採用試験は受けることができます。
しかし、それを実際に行動するのはほんの一部の人だけです。
ほとんどの人が行動しない理由は以下の通りです。
①日本でエアライン機長をやっていると十分に食べていける額はもらえて、あえて冒険するリスクよりもそのままの方が安定している
②なんたって日本であり、日本語(英語が不自由)
③ATPL取るころには結婚して日本での生活があるため外国に移住するとか言ってられない
④なんだかんだ言っても守られていて福利厚生も良い
このような理由が大半でした。
会社の文句言ってるおっさん達も文句は言うけど会社から出ていく気はない人ばっかりです。
メリットも多いのですが、外資のメリット・デメリットはまた別の記事で書いています。