ここだけのパイロットの話

エアラインパイロットとして独り立ちするまで図解

投稿日:29/07/2020 更新日:


今回ですけども、素人がパイロットになるまでまとめてみました。

パイロットになる方法は全部で大きく4つでした。

①自社養成のパイロットとして航空会社に就職
②航空外学校を卒業して航空会社に就職
③私立大学の操縦科を出てから航空会社に就職
④自分で飛行時間を稼いで自分で試験を受けて免許を取る

この4パターンでした。それぞれの流れ、どれくらいの時間がかかるのかを説明します。

まずは下の図をご覧ください。全ての流れを1つの図にまとめました。

※他職種研修とは、就職してすぐにパイロットの訓練に入るのではなく、半年から2年くらいの間、旅客係員や運航支援者として働く期間のこと。
入る会社によって期間は異なり、まったく無い会社もある。

①自社養成でパイロットになる場合(図の赤色のフロー)

自社養成の基礎訓練は約2年かかります。

基礎訓練とは、航空大学校での訓練や私大での訓練に相当する訓練です。

また型式の訓練は1年かかるので訓練開始からパイロットになるまで最短で3年かかります。

基礎訓練の2年間があるため、航空大学校や私立大出身者に比べて、パイロットとして乗務するのは2年程度遅くなります。

22歳で大学を出たとして、基礎訓練で2年、型式訓練で1年です。

パイロットとして乗務するのは他職種研修が無かったとしたら最短で25歳くらいです。

②航空大学校を出てパイロットになる場合(図の緑色のフロー)

航空大学校を出ていればライセンスを持っているので基礎訓練はありません。

他職種研修後はすぐに型式の訓練に入ります。航空大学校は4年制大学・大学院を卒業してからも受けることができます。

従って、年齢はバラバラです。

もし大学2年修了で受験した場合は、その2年後に航空大学校を卒業することになります。

1年間訓練すれば乗務できるのでもし他職種研修が無い会社であれば、最短で23歳でパイロットとして乗務できます。

ただ、航空大学校は合格者を4コースに割り振って時間差で入学させるので、入学が最後のコースでの入学になってしまったらその分遅くなります。

③私立大学を出てパイロットになる場合(図の青色のフロー)

航空大学校と同じく、私大を出ていればライセンスを持っているので基礎訓練はありません。

他職種研修後はすぐに型式の訓練に入ります。

22歳で大学を出てから、他職種研修を経て1年間訓練すれば乗務できるので最短で23歳でパイロットとして乗務できます。

航空大学校の2年修了と同じく最短だと思います。

④全て自己手配でパイロットになる場合(図の黄色のフロー)

②③と同じです。

ライセンスを持っているので入社後の基礎訓練はありません。

他職種研修後はすぐに型式の訓練に入ります。

ただ、ライセンスを取るまでの期間はその人の計画によるので、何歳でエアラインパイロットとして飛び始めるかは一概には言えません。

逆に言えば、何歳でも挑戦できるとも言えます。

このようにパイロットとして独り立ちするまでにはいくつものステップがあります。

平均を取ると約5年はかかります。

それぞれの4つの道のメリット、デメリットについては別の記事に書いているのでそちらを参考にしてください。

パイロットになるにはどうしたらいいですか?方法を教えてください。


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