ここだけのパイロットの話

パイロット失業寸前??AI vs 人間

投稿日:22/08/2020 更新日:


今回ですけども、将来的にAIに仕事を奪われるかについてです。

日頃仕事で飛行機に乗れば乗るほど「飛行機作った人天才」って思うわけですよ。

そもそもあんなに大きな鉄のかたまりが空を飛ぶなんてすごいことだと思います。

そして、人類が空に進出して100年ちょっとしか経っていないなんて驚きです。

今や着陸も自動でできます。技術の進歩は凄いと思います。

パイロットがすごいんじゃなくて飛行機がすごい

パイロットという職業をやっていると、自分はすごいと勘違いしているやつに出会うことがあります。

僕は、パイロットという職業は世の中に数ある職業の中のひとつと思っているのでそんな人とはウマが合いません。

そんな人に声を大にして言いたいのは「お前がすごいんじゃなくて、飛行機がすごいんだよ」ということです。

自動化された高度なシステム、旅客の快適性を考えて作られた空間、パイロットが操縦しやすいように計器に工夫もあります。

機種が新しくなれば新しくなるほど便利になっていきます。

言ってしまえば、こんなの特別な才能がなくたって訓練すれば操縦できます。

よく航空大学校の教官が「操縦なんかお前のかーちゃんでもできるわ」って言ってました。

飛行機の進化のおかげで事故が減った

飛行機の進化とともに事故は減ってきました。

これは事実です。

現代の飛行機の事故原因の約6割はパイロットのミスだと言われています。

つまり、人間は完全に足を引っ張っているわけです。

ただ、機械は壊れますし、臨機応変な対応ができないのでまだまだ人間は必要だと思います。

逆に人間が最新鋭のシステムを使いこなせば安全はさらに向上します。

パイロットの仕事の本質を考えるとまだAIには無理では?

将来的に全自動化されてパイロットという職は無くなるという人がいますが僕はそうは思いません。

なぜならパイロットの仕事の本質は操縦ではなく、安全を守ることにあるからです。

操縦だけならAIにも可能だと思います。

しかし、パイロットはいかなる想定外の事態が起きても結果的に乗員乗客を連れて帰って来なければなりません。

そういう臨機応変さや先読みはまだまだ人間が勝っていると思います。

というわけで2025年時点では人間の勝ちです。


-ここだけのパイロットの話
-

執筆者:

関連記事

那覇空港(ROAH/OKA)のRNP RWY18R Approach

今回は那覇空港のRNP RWY18Rアプローチの記事です。那覇空港が南風運用でお天気が良い時にこのアプローチを行います。 RNP RWY18R Approach (RNP RWY18R Approac …

夏より冬の方が飛行機は低いところを通るけど大丈夫?

今回ですけども、飛行機の高度な話です。 5000ftは本当に5000ftなのか 飛行機の高度計は必ずしも真の高度を示しているわけではないということをご存知でしょうか。 都心上空を5000ftで飛ぶ場合 …

お酒

日本のパイロットのアルコールチェックの現状

どうも職業アルコールチェッキーです。 フライトよりも多いアルコールチェックの現状を共有します。 たくさんの人に知っていただきたいです。 実施要領は通達に書いてある 航空機乗組員等のアルコール検査実施要 …

One Engineの力学

飛行機エンジン故障時の航空力学!どこよりも分かりやすく解説

今回ですけども、飛行機のエンジンについての話です。 飛行機は2つあるエンジンが1つ故障してももう1つのエンジンで安全に飛行をし、着陸することができます。 ひとつのエンジンになることをOne Engin …

Glide slopeアンテナ

Glide Slopeの1dotはどれくらい?修正はどこまで可能?

今日はILSのGlide Slopeの話題です。 ズレた場合何ftまでであれば無理なく修正できるかなど実際に操縦する上で役立つ情報です。 Glide Slopeの構造のおさらい 基本的にGlide S …