こんにちは。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
さて、2025年の12月に航空大学校より文書が出されております。(リンクが切れていたらすみません)
これを見ていただければ分かるのですが、どうやら一次試験の筆記試験の出題範囲が変わり、さらに出題形式がCBTに変わる可能性があるそうです。
CBTとはComputer Based Testingの略でパソコン端末を使ってパソコン上で答えを選択して送信する形式の事です。
目次
令和9年度からの出題範囲変更点
これまでの出題範囲は以下の通りでした。
操縦士として必要な判断・処理能力(空間認識、資料の読取等)、時事問題を含む社会常識及び数学(数と式、二次関数、二次方程式、三角比、三角関数、指数関数、対数関数、微分、積分、
平面図形、ベクトル等)自然科学(気象、力学、熱力学、波動、電気と磁気等)の一般知識を問う試験をマークシート方式で行います。(令和7年度の航空大学校募集要項から引用)
令和9年度(2026年試験)からの出題範囲は以下の通り変更になる予定です。
①操縦士として必要な判断・処理能力を問う問題(規則性、空間認識、資料読取等)
(※「時事問題を含む社会常識」は出題内容から削除)
②高等学校学習指導要領(平成30年告示)に掲げる以下の科目における基礎的な理解と論理的思考力を問う問題
(a)数学(高等学校学習指導要領第2章第4節)
・数学Ⅰ:「データの分析」を除く。
・数学Ⅱ
・数学A:「図形の性質」に限る。
・数学C:「ベクトル」に限る。
(※数学Ⅲ及び数学Bは出題内容の対象外)
(b)物理(高等学校学習指導要領第2章第5節第2款第2及び第3)
・物理基礎
・物理:「原子」を除く。
(c)地学(高等学校学習指導要領第2章第5節第2款第8及び第9)
・地学基礎:「地球の環境」に限る。
・地学:「大気の構造と運動」に限る。(2025.12 「令和9年度航空大学校入学試験(第一次試験)について」から引用)
さて、主にどこが大きく変わっているのでしょうか。
詳しく比べてみます。
総合PartⅠの分野
旧出題範囲でも新出題範囲でも「操縦士として必要な判断・処理能力(空間認識、資料の読取等)」とあり、新出題範囲では「操縦士として必要な判断・処理能力を問う問題(規則性、空間認識、資料読取等)」とあります。
新範囲の方では「規則性」という言葉がわざわざ追加されているものの「規則性を考える問題」は旧範囲でも出題されていたので、引き続き出題範囲はほぼ変更なしと考えて良いでしょう。
時事問題と社会常識問題は削除
旧出題範囲では「時事問題を含む社会常識」という文言があり、これまでは毎年時事問題が2問と社会常識が2問出題されてきました。
新出題範囲ではこの「時事問題を含む社会常識」が削除されています。
非常に対策しにくい問題なので対策の負担は減ります。
その分数学・物理・地学の問題が増えるのかもしれません。
数学の分野
旧出題範囲では「数学(数と式、二次関数、二次方程式、三角比、三角関数、指数関数、対数関数、微分、積分、平面図形、ベクトル等)」とあり、新出題範囲は「数学Ⅰ(データの分析を除く)、数学Ⅱ、数学A(図形の性質のみ)、数学C(ベクトルのみ)」とあります。
旧出題範囲では数学の単元が羅列されていましたが、新出題範囲では高等学校学習指導要領の表記に沿った文言でまとめられました。
そして一番大きい変更点としては「数学Ⅲ及び数学Bは出題内容の対象外」と明示されたことです。
以下詳しく分析してみます。
参考に高等学校学習指導要領(平成30年告示)を貼っておきます。誰でもネットで見ることができます。
数学Ⅰ
学習指導要領(平成30年)によると数学Ⅰ分野の単元は「数と式、図形と計量、二次関数、データの分析」の4つです。
そのうち「データの分析」は除くと明示されています。
これまでも「データの分析」は出題されていないので、引き続きこれまでの出題範囲と変更はありません。
数学Ⅱ
数学Ⅱ分野の単元は「いろいろな式、図形と方程式、指数関数・対数関数、三角関数、微分積分の考え」の5つです。
これらの分野はこれまでも全て出題されています。
よって、数学Ⅱの分野においても引き続きこれまでの出題範囲と変更はありません。
数学Ⅲ
数学Ⅲ分野の単元は「極限、微分法、積分法」の3つです。
これまでグレーゾーンとして扱われていた厄介な数学Ⅲの分野ですが、今回の変更で出題範囲の対象外と明示されました。
これまで数学Ⅲの知識が無いと厳しい問題がいくつかあったので、対象外と明示されたことは大きいと思います。
数学A
数学A分野の単元は「場合の数と確率、整数の性質、図形の性質」の3つです。
そのうち出願範囲は「図形の性質」に限ると明示されました。
これまでも「場合の数と確率、整数の性質」は出題されてきていません。
よって、数学Aの分野においても引き続きこれまでの出題範囲と変更はありません。
数学B
数学B分野の単元は「数列、統計的な推測、数学と社会生活」の3つです。
全てが出題範囲の対象外と明示されました。
これまでも数学Bの分野の問題は全く出題されていないので、引き続きこれまでと変更はありません。
数学C
数学C分野の単元は「ベクトル、平面上の曲線と複素数平面、数学的な表現の工夫」の3つです。
そのうち出題範囲は「ベクトル」に限ると明示されました。
これまでも「平面上の曲線と複素数平面」や「数学的な表現の工夫」は出題されていません。
よって、数学Cにおいても引き続きこれまでの出題範囲と変更はありません。
数学変更点まとめ
数学Ⅰ・Ⅱ・A・Cに関しては出題範囲に大きな変更はないと思われます。
数学Bはこれまでもこれからも出題はありません。
このタイミングで数学Ⅲが出題範囲対象外と明示されたことが一番大きい変更点です。
これが本当であれば数学Ⅲの対策は一切不要ということになります。
理科の分野
次に理科の分野を見てみます。
旧出題範囲では「自然科学(気象、力学、熱力学、波動、電気と磁気等)」とありましたが、新出題範囲では「物理基礎、物理(原子を除く)、地学基礎(地球の環境に限る)、地学(大気の構造と運動に限る)」とあります。
旧範囲での「自然科学」という分野が大きく「物理」と「地学」の2分野に明示されました。
以下詳しく分析します。
物理基礎
基礎物理の単元は「物体の運動とエネルギー、様々な物理現象とエネルギーの利用」2つです。
その「様々な物理現象とエネルギーの利用」に熱力学の分野は含まれています。
よって、引き続きこれまでの出題範囲と大きな変更点はありません。
物理
物理の単元は「様々な運動、波、電気と磁気、原子」の4つです。
そのうち「原子」は除くと明示されましたが、これまでも原子の分野は一度も出題されていません。
よって、引き続きこれまでの出題範囲と変更はありません。
地学基礎
地学基礎の単元は「地球のすがた、変動する地球」の大きく2つです。
出題範囲はさらにその「変動する地球」の中の「地球の環境」の分野に限ると明示されました。
自然環境、それがもたらす災害や恩恵など人間活動にも触れられている分野です。
地球温暖化、酸性雨などをはじめとしてこの分野はこれまでも何度も出題されてきているので、引き続き出題範囲に変更は無いと考えられます。
地学
地学の単元は「地球の概観、地球の活動と歴史、地球の大気と海洋、宇宙の構造」の4つです。
出題範囲はさらにその「地球の大気と海洋」の中の「大気の構造と運動」の分野に限ると明示されました。
大気の組成や熱収支などをはじめとしてこの分野はこれまでも何度も出題されてきているので、引き続き出題範囲に変更は無いと考えられます。
理科変更点まとめ
概ねこれまで通りであることが予測されます。大きな変更点はありません。
また、化学や生物は出題されないことが明示されました。
形式がCBT化するとどうなるか
さて、これまでは内容を見てきました。今後は形式も変わるかもしれません。
航空大学校は一次試験をCBT化していくと公表しています。
いつ導入されるかはまだ分かりません(※2026年3月上旬時点)が、もしそうなれば非常に便利になります。
これまで、札幌・岩沼・東京・大阪・福岡・宮崎のどこかにわざわざ受験しに行かないといけませんでした。
CBT化できればおそらくほとんどすべての都道府県で受験することが可能になります。
交通費や宿泊の負担も減ります。
まとめ
数学、物理、地学の出題範囲については概ね例年通りの内容であると考えられます。
大きな変更点としては時事問題と社会常識問題の削除、グレーゾーンが排除されて出題範囲がかなり具体的に明示されたことです。
したがって、必要な分野とそうでない分野がはっきりと分かり、受験生は勉強しやすくなったと思います。
ぜひ参考にしてみてください。