Jです。
航空大学校入試で数Ⅲが必要かどうかみなさん非常に興味があるということなので、今回記事にしてみました。
参考にして頂けると幸いです。
目次
出題範囲
まず航空大学校入試問題総合partⅡの出題範囲を確認してみましょう。
時事問題を含む社会常識及び数学(数と式,二次関数,二次方程式,三角比,三角関数,指数関数,対数関数,微分,積分,平面図形,ベクトル等),自然科学(気象,力学,熱力学,波動,電気と磁気等)の一般知識を問う試験をマークシート方式で行います。
(航空大学校ホームページの募集要項より引用)
ここに書いている項目を見る限り、数学に関しては数ⅠA・数ⅡBの分野と考えられます。
数学の範囲の最後に書いてある「・・・ベクトル等」の「等」が気になります。
ここ10年の傾向
2024年度出題問題までの過去10年間で数Ⅲの知識が必要であろう問題は5問です。
①2019年度の問25
②2021年度の問25
③2022年度の問23
④2022年度の問25
⑤2024年度の問43
数Ⅲは頻度が少ないにせよ最近になって出題頻度が急上昇しています。2022年度の問題では2題も出題されています。
第25問目は毎年積分の問題が出される傾向があり、2019年度の数Ⅲが必要とされる問題も積分の問題です。
確かに積分は数Ⅱの分野ですが、合成関数の積分計算は数Ⅲに入るのでしょうか・・・。
一応出題範囲に積分とあるので範囲逸脱かと言われたら微妙なところです。
また、2021年の問題は極限の問題でしたが、これも数Ⅲを詳しくやっていなくてもノリで解けてしまう問題でした。
過去の数Ⅲ問題
実際に出題された問題を見てみましょう。
①2019年度の問25
航空大学校HPより引用
これの答えは(3)です。
以下は解説です。
図形を平面で切ってその断面を積分するというものです。
積分の概念は数Ⅱでやるので立式はできたとしても、数Ⅲをやっていなければその式を積分することができないのではないかというものです。
確かに、ルートがあってさらに2つの関数の積となっているので数Ⅱの範疇を出ている気がします。
②2021年度の問25
航空大学校HPより引用
(3t2+2t+1)を積分していくと(x-3)(x2+4x+13)となり、分母の(x-3)と約分でき、(x2+4x+13)に「x=3」を代入することで答えは34となります。
この問題は極限値を聞いてきていますので数Ⅲの範囲となります。
しかし、数式自体は数Ⅱレベルです。
③2022年度の問23
航空大学校HPより引用
上の①②の問題は数Ⅱまでの知識でまだ対応可能かなとごまかせるかなと思っていましたが、この2022年度問題でついに完全に数Ⅲの知識が必要になったのかという認識を受けました。
関数1/xの積分と自然対数logeの知識が必要です。
④2022年度の問25
航空大学校HPより引用
そもそも極限の概念が分かっていないと解けない問題。
⑤2024年度の問43
航空大学校HPより引用
区分求積法を使う問題です。数Ⅲをやっていないと手も足も出ないでしょう。
今後の予想
今後の予想ですが、今後も数Ⅲが出ると思います。
現在出ている出題分野は、極限、自然対数と積分です。
今後も出題される可能性が高く、毎年1問は出題されるといった流れになることも考えられます。
数Ⅲの単元はいろいろな曲線、複素数平面、関数、極限、微分積分の応用です。
この中で極限は航空大学校の出題範囲に含まれていませんでしたが出題されました。
出題範囲の「・・・等」の「等」に含まれていたという解釈しかできません。
したがって、何が出題されるかは読めなくなってしまいました。
結論
ある程度の知識は必要という結論にならざるを得ません。
数Ⅲはさらっと勉強するには重い内容です。
しかし、今のところ出題されている問題は、数Ⅲとはいえかなり簡単な内容にはなっています。(それが逆に文系不利になってしまいます。)
合成関数の積分はちゃんとやれば三角関数、指数対数関数の入った関数も出てくるので難しいです。
・ルートが入った関数の積分
・いろんな関数の微分・積分
・自然対数eとは
・極限の考え方
・合成関数の微分・積分
・区分求積法
合成関数の微分積分は覚えておくと数ⅠA・ⅡBの分野でも役立つことがありますので無駄にはなりません。
いろいろな関数の微分・積分は難しいものをやる必要はありません。
例えば、「sinΘを積分したら-cosΘ」「cosΘを積分したらsinΘ」「1/xを積分したらlogex」「exを微分・積分してもex」といった基本的な関数の積分を覚えるくらいで良いと思います。
個人的には数Ⅲの細かいところまでこだわってやる暇があるなら他のことをやった方がいいと思います。
今まで出ていなかった分野の問題がもしも出てしまっても大丈夫です。
きっとその問題を解けなくても合否には影響しないだろうと思います。
入試の鉄則は誰もが解ける問題を絶対に落とさないことです。
誰もが解けない問題は自分も解けなくてもいいという心構えも時には大事になってくるだろうと思います。