ここだけのパイロットの話

パイロットという職業の良いところ3つ挙げてみた

投稿日:17/07/2020 更新日:


今回ですけども、パイロットをやってみて思ったこの仕事の良いところを紹介します。

パイロットの仕事は、試験が多く勉強量も膨大なので大変なイメージですが、いいところがたくさんあります。

僕は以下の3点が良いと思っています。

①仕事が1便1便で完結する

何と言ってもONとOFFがはっきりしているところが魅力です。

自分の担当便が終わればその日の仕事は完結します。仕事を家に持ち帰ることはありません。

そして、次の仕事はまた新しい気持ちで仕事に臨むことができます。

それに一連の勤務ごとに毎回フライトのクルーが変わるのでその点においても新しい気持ちで仕事に臨むことができます。

組織上、上司(パイロット)・部下(パイロット)はいるのですが、それぞれがフライトをしているので通常はお互いが顔を合わせることはありません。従って、職場の煩わしい人間関係は一切ありません

嫌な人とフライトしてもその一連の勤務が終わればもう顔を合わせなくて済むのが良いですね。

②裁量が大きい

自分の好きなように仕事ができるのがとてもいいと思います。これはやりがいに繋がります。

パイロットの仕事は機長と副操縦士の2人で飛行機を飛ばします。

従って、飛行機のドアが閉まってしまうと機長はその現場のNo.1であり、副操縦士はNo.2です。

いくら経験が少ないパイロット機長・副操縦士であろうが乗務した以上、2人にはそのフライトの安全に関して全責任があります。飛行機のドアが閉まってしまったら機長はその便に関する全ての責任を負います。

機長の判断に対しては、たとえ社長でも口出しはできません

③何にも邪魔されず自分の技量向上に純粋に向き合える

フライトはほとんどの要素が自然相手です。当然そのフライトで起こること全てを予想することはできません。その日の天気に応じたフライトの組み立てが重要です。

同じ天候が2度とないので当然同じフライトも2度とありません。初めて起こることに対して、経験と知識でうまく対応していかなければなりません。

それが、パイロットの仕事の難しさであり、楽しさ、やりがいでもあります。

そして、簡単にできないからこそみんな努力してよいフライトができるように純粋な気持ちで自分の腕を磨いていきます

自分の仕事に打ち込むことができます。同期をはじめ、先輩も後輩も全員が仲間であり共に切磋琢磨できる環境です。

出世に全く興味がなく、フライトだけをしていたい人が多いのもこの仕事の大きな特徴です。

大変なことばかりではありません。

いいところがこんなにあるのでぜひとも目指してください。


-ここだけのパイロットの話
-

執筆者:

関連記事

事業用操縦士ライセンスでできること、できないこと

今回ですけども、パイロットのライセンスである「事業用操縦士」のできること、できないことについてです。 この内容は試験に出ます(笑) 事業用操縦士の業務範囲 事業用操縦士はパイロットのライセンスで最もベ …

都心飛行ルートに反対??羽田の離着陸経路

今回ですけども、飛行機の都心飛行ルートについてです。 「都心飛行ルート反対!!」というのをテレビで見たことがあるので書いてみました。 本当に反対すべきことなのでしょうか? 見てみましょう。 東京国際空 …

航空大学校に入るのに大学中退でいいか、大学を卒業後入るべきか

今回の記事はパイロットの学歴についてです。 航空大学校は大学2年終了見込みで受験できます。 大学在学中に合格したらそのまま航空大学校に進学することになりますが、そうすれば大学は中退となります。 今回で …

パイロットって薬飲んじゃダメなの?

今回ですけども、よくされる質問「パイロットって薬飲んじゃダメなの?」に答えていきたいと思います。 原則は飲んだら乗るな パイロットは自身が服用する薬にも気を遣わなければなりません。 原則は「飲んだら乗 …

Low ALT Level off!不自由すぎる那覇空港の実態

Jです。 今回ですけども、今日は個別の空港のトピックです。 その空港とは那覇空港です。 那覇空港は国内で交通量が大きい空港の1つです。 その交通量をさばくために2020年の3月から滑走路がもう1本増え …