ここだけのパイロットの話

パイロットの審査の仕組み!!チャンスは2回!!

投稿日:21/12/2020 更新日:

今回の記事はパイロットの試験の仕組みについてです。

パイロットの資格は国家資格です。

定期運送用操縦士、准定期運送用操縦士、事業用操縦士、計器飛行証明、限定変更等試験は避けては通れません。

技能証明を取るためにほとんどの人がどこかの組織に属して訓練をして試験を受けます。(航空会社などの指定養成機関、航空大学校等)

資格を取るための試験(審査)のシステムがどのようになっているのか説明したいと思います。

書類審査と口述審査と実技審査の3段構成

審査は①書類審査、②口述審査、③実技審査の3段階です。

①書類審査

受験者が審査を受けることができる条件を満たしているかどうかを審査します。

飛行時間、ライセンス、携行品、所定の訓練を修了しているかをチェックします。

ここの段階で不備があると審査を受けることはできません

通常10分くらいで終わります。

②口述審査

書類審査が終わると口述審査に移ります。

口述審査とは審査官と受験者での口頭による知識確認です。

審査官が質問をしてその質問に正しく答えていきます。

内容としては単純に暗記していればいいものから、答えが無くその人の考えを聞くものまで様々です。

審査官によって聞く内容は違い、出題範囲は無限大です。

この口述審査で合格かどうかはその場で審査官が判断します。

この口述審査に合格しなければ実技審査を受けることはできません。

③実技審査

口述試験に無事合格したらいよいよ実技です。

審査官と一緒に飛行機(もしくはシミュレーター)を操縦します。

飛行技術はもちろんのこと操縦を通して状況認識能力、CRMをはじめとしたパイロットとして必要な能力を審査します。

天気やその他のコンディションは当日にならないと分かりません。

晴天・微風で審査を受ける人もいれば、雨天・暴風で審査を受ける人もいます

不公平とは思いません。パイロットの試験とはそういうものなのです。

運も実力のうちです。

全ての審査をほぼ1日がかりで行います。

実技試験が終わったらその場で合否が告げられます。

不合格になってももう1度チャンスがある

パイロットの試験は2審制です。

口述審査、実技審査のいずれかで不合格となってしまった場合、不合格となった項目を中心に教官と数回訓練をしてもう1度試験を受けることができます。

2回目の審査官は必ず1回目と違う人が担当します

注意すべきは口述審査で不合格となってしまった場合です。

口述審査で不合格となってしまった場合は実技を受ける前に1回目が終了とカウントされます。

したがって、2回目の審査ではじめて実技審査をするわけですが、それに落ちてしまうと2回不合格退場です。

実技では、たった1つの項目で不合格になってしまった場合でも全ての項目を再受審しなければなりません。

例えば、A~Eの5つの審査科目があったとして1回目の審査でA~Dが合格でEの項目のみ不合格になったとします。

再審査ではEのみをやればいいのではなく、A~E全てをやり直し、全てに合格しなければなりません。

つまり、1回目のA~Dの成績は無かったことになります。

もしも2回目でEは合格しても、Dで不合格になってしまったら2回目もアウトです。

航空大学校の最大のメリットのひとつ

ここで航空大学校の審査の最大のメリットを発表します。

航空大学校の再審査では、不合格になった項目だけ再審査してそれに合格すれば1回目と合わせて合格とすることができるのです。

このように部分的に再審査するシステムは航空大学校の最大のメリットです。

世界中を見てもこのようなシステムは珍しいそうです。

-ここだけのパイロットの話
-,

執筆者:

関連記事

お酒

日本のパイロットのアルコールチェックの現状

どうも職業アルコールチェッキーです。 フライトよりも多いアルコールチェックの現状を共有します。 たくさんの人に知っていただきたいです。 実施要領は通達に書いてある 航空機乗組員等のアルコール検査実施要 …

航空大学校で1番大事な課程はどれ?

航空大学校は4つの課程があります。 ①宮崎座学課程 ②帯広フライト課程 ③宮崎フライト課程 ④仙台フライト課程 今回の記事ではどの課程が一番大事かを書きたいと思います。 航空大学校ではなく、航空会社の …

モールス信号

モールス信号覚えてますか?

モールス信号覚えてますか? パイロットの仕事の中でも実はモールス信号が使われています。 飛行機は天気が悪い時にはILSというシステムで着陸しますが、その際使う電波にはアルファベットの3文字のIDが割り …

パイロットは競争しない。情報共有して皆で合格をつかみとる

今回ですけども、パイロット独特の文化についてです。 私が良いと思う点は、パイロットの社会は競争社会ではないという点です。 情報共有の文化 パイロットは訓練の初期段階で同期と情報を共有してみんなで合格を …

Speed Brakeの効果について

今回ですけども、少し専門的な内容です。Speed Brake Systemについてです。 着陸後の翼 下の写真をご覧ください。 これは飛行機が着陸した直後の飛行機の翼の上の写真です。 飛行機が着陸する …