Jです。
今回ですけども、パイロットの試験の仕組みについてです。
パイロットの資格は国家資格です。
定期運送用操縦士、准定期運送用操縦士、事業用操縦士、計器飛行証明、限定変更等試験は避けては通れません。
技能証明を取るためにほとんどの人がどこかの組織に属して訓練をして試験を受けます。(航空会社などの指定養成機関、航空大学校等)
資格を取るための試験(審査)のシステムがどのようになっているのか説明したいと思います。
目次
書類審査と口述審査と実技審査の3段構成
審査は①書類審査、②口述審査、③実技審査の3段階です。
①書類審査
受験者が審査を受けることができる条件を満たしているかどうかを審査します。
飛行時間、ライセンス、携行品、所定の訓練を修了しているかをチェックします。
ここの段階で不備があると審査を受けることはできません。
通常10分くらいで終わります。
②口述審査
書類審査が終わると口述審査に移ります。
口述審査とは審査官と受験者での口頭による知識確認です。
審査官が質問をしてその質問に正しく答えていきます。
内容としては単純に暗記していればいいものから、答えが無くその人の考えを聞くものまで様々です。
審査官によって聞く内容は違い、出題範囲は無限大です。
この口述審査で合格かどうかはその場で審査官が判断します。
この口述審査に合格しなければ実技審査を受けることはできません。
③実技審査
口述試験に無事合格したらいよいよ実技です。
審査官と一緒に飛行機(もしくはシミュレーター)を操縦します。
飛行技術はもちろんのこと操縦を通して状況認識能力、CRMをはじめとしたパイロットとして必要な能力を審査します。
天気やその他のコンディションは当日にならないと分かりません。
晴天・微風で審査を受ける人もいれば、雨天・暴風で審査を受ける人もいます。
不公平とは思いません。パイロットの試験とはそういうものなのです。
運も実力のうちです。
全ての審査をほぼ1日がかりで行います。
実技試験が終わったらその場で合否が告げられます。
不合格になってももう1度チャンスがある
パイロットの試験は2審制です。
口述審査、実技審査のいずれかで不合格となってしまった場合、不合格となった項目を中心に教官と数回訓練をしてもう1度試験を受けることができます。
2回目の審査官は必ず1回目と違う人が担当します。
注意すべきは口述審査で不合格となってしまった場合です。
口述審査で不合格となってしまった場合は実技を受ける前に1回目が終了とカウントされます。
したがって、2回目の審査ではじめて実技審査をするわけですが、それに落ちてしまうと2回不合格退場です。
実技では、たった1つの項目で不合格になってしまった場合でも全ての項目を再受審しなければなりません。
例えば、A~Eの5つの審査科目があったとして1回目の審査でA~Dが合格でEの項目のみ不合格になったとします。
再審査ではEのみをやればいいのではなく、A~E全てをやり直し、全てに合格しなければなりません。
つまり、1回目のA~Dの成績は無かったことになります。
もしも2回目でEは合格しても、Dで不合格になってしまったら2回目もアウトです。
航空大学校の最大のメリットのひとつ
ここで航空大学校の審査の最大のメリットを発表します。
航空大学校の再審査では、不合格になった項目だけ再審査してそれに合格すれば1回目と合わせて合格とすることができるのです。
このように部分的に再審査するシステムは航空大学校の最大のメリットです。
世界中を見てもこのようなシステムは珍しいそうです。