Jです。
今回ですけども、GPWS(ジーピーダブルエス)についてです。
GPWSは(Ground Proximity Warning System)の略です。
漢字で書くと対地接近警報装置です。
GPWSとは飛行機に載っている機器の機能の1つで、万が一何らかの理由で地面に近づいてしまったときにパイロットに警報を鳴らす装置です。
航空運送事業に使用する飛行機にはGPWSの装備が法律で義務づけられています。
飛行機が山などに近づくと初めの方は注意喚起の“Terrain”というメッセージが出るのですが、それでもパイロットが対応しないとそのうち“PULL UP”という警報が鳴ります。
鳴らさないようにオペレーションするのが1番大事
GPWSが鳴るというのは非常事態であり、鳴った時点で飛行機は危険な状態にあるということを示しています。
1番聞きたくない音の1つです。
管制官の指示を間違って降下し過ぎたか、飛行経路を間違えた時などに山に近づいてしまうとGPWSが鳴ります。
初めから飛行機をそのような危険な状態に持っていかないようにするのが重要です。
山の近くに滑走路がある空港では鳴ってしまうことがある
GPWSの精度は昔に比べると格段に高性能になっており、一昔前では鳴らなかったような微妙な地形にも反応するようになっています。
その技術の進歩は素晴らしいのですが、いいことばかりではありません。
降りようとする滑走路に対して、正常な進入をしていたとしても微妙な地形に反応して警報が鳴ってしまうことがあります。
パイロットからしたら、山も見えていて正常にアプローチをしているのに警報を鳴らされて「わかっとるわ!!」と言いたくなります。
GPWS警報装置は飛行機が山にぶつからないためにあるわけなので、そのような通常運航で鳴っても意味がありません。
大抵のパイロットは正常な時に鳴ったとしても、そのまま進入を継続して着陸します。
GPWSが鳴ったら怒られる
日本の航空局(CAB)は思考停止の集団で基本的には0か10かの政策しかできません。
本当に山に近づいて危なかった事例と、空港の地形特性で鳴ってしまった事例は全く違うのですがどちらもアウトです。
こちらとしては同じように扱われるのは心外です。
とにかくいかなる状況でもなったらアウトなのです。
したがって、日本のパイロットはどんなに分かりきった地形・山に対しても、GPWSがとにかく鳴らないように気を付けるという本末転倒なオペレーションをしています。
例えば伊丹空港のRWY14RのCircling Approachや福岡空港のVisual Approach RWY34ではいったん山に自ら近づかなければ降りることができません。
そのfinal turnまでの過程で前方の山をシステムが拾ってしまい、警報を発してしまうことがあります。
前方に山があり、そのまま何もしなければ墜落するという警報を発するわけですが、そのまま山まで突っ込んでいくパイロットがいるわけがありません。
その場合でもGPWSが鳴ったということで怒られます。
何とかならないものでしょうか。
合理的な組織運営をしてほしいものです。